「カレラ・ミルズ・ピノ・ノワール」95年



 さて、今年の10月に引越をしたのと、ワークショップのメンバーである尾山さん脚本・出演の舞台「SEVENTH HEAVEN」の公演の無事終了したことを記念して、自宅でワインパーティー。結構大勢の人が来てくれました。引っ越ししてはじめてのパーティーで、集まってくれた八名分の椅子もない状態でしたけど、まあこれで少し広い所へ越してきた甲斐があったかな。
 今回栓を開けたのはシャンパーニュ「クリュグ」、カリフォルニア赤・ピノ・ノワールの「カレラ」、貴腐ワインの「シャトー・クリマン」、カリフォルニア赤「シミ」とボルドー赤「セルタン」の計五本。うーん、九人で五本か。連日の飲み会で疲れているという人や、あまりお酒は飲めないという方もいたので、まあこんなものかな。(充分だって……)
 さて、とっておきの「クリュグ」で乾杯した後、まずは飲みやすいピノ・ノワールはいかが? ということで選んだのがこの「カレラ」。漫画「ソムリエ」にも登場した、「ロマネ・コンティ」に限りなく近いとされる「カレラ・ジェンセン」の兄弟分です。
 ジョルジュ・ジェンセンは「ロマネ・コンティ」に魅せられて、故国カリフォルニアでこれと全く同じ物を作り上げるために、コート・ドールの畑と全く同じ地質・地形の場所を人工衛星で見つけ出し、ロマネ・コンティの畑から持ち込んだピノ・ノワールを植えてワインを作ったと言われています。そのワイナリーは「カレラ」、これはスペイン語で石灰窯を意味する言葉です。
 カレラには四つの畑があり、それぞれ「ジェンセン」「セレック」「リード」「ミルズ」と呼ばれます。濃い色調の「ジェンセン」、ミネラル分の多い「セレック」、果実味の濃縮した「リード」、薄目の色調「ミルズ」と、それぞれ特徴を持っているようですが、いずれにしても合わせて15haの畑から得られるワインはとても入手が困難で、特に「ロマネ・コンティ」に極似すると言われる「ジェンセン」はわずか五分で売り切れてしまうとか……。私が入手できたのは「ミルズ」ですが、これもやまやのワインフェアで、一人一本限定で何とか手に入れられたもの。価格は4980円と決して手の届かないものではありませんでした。
 さて、そのお味の方ですが……名高い「ジェンセン」ではないのでまあまあぐらいかなあと思っていたのですが、これがどうしてどうして、味は濃厚、香りも強くブルゴーニュのクロ・ド・ヴージョあたりよりも上に感じましたね。「ロマネ・コンティ」はさすがに飲んだことがないのですが、「ロマネ・サン・ヴィヴァン」「グラン・エシェゾー」「リシュブール」あたりの濃い目のブルゴーニュに近い感じが確かにあります。うーんこれほどとは。また手に入らないかなあ。



トップページに戻る。
◆「一杯のお酒でくつろごう」のコーナーに戻る。
◆「宇都宮斉作品集紹介」のコーナーへ。
◆「宇都宮斉プロフィール」のコーナーへ。
◆「漫画・映画・小説・その他もろもろ」のコーナーへ。
◆「オリジナル・イラスト」のコーナーへ。
◆「短編小説」のコーナーへ。