「シミ・カベルネ・ソーヴィニヨン」95年



 火曜日の夜やっているテレビ番組の「人気者で行こう!」には「芸能人格付けチェック」というコーナーがあって、高級品と普通物の見分けがつくか、というゲームをやっています。そしてはずれると一流芸能人から二流芸能人へとランクが下がっていき、さんざっぱら偉そうなことを言っていたのを馬鹿にするという……見る分には面白いけどもし参加するとなったらちょっと勇気が入りそうなコーナーですが。
 そのコーナー、毎回必ず一発目は「ワイン」。10万円近くするフランスの最高級品と、1500円くらいで買えるチリやオーストラリアワインとをブラインドで飲ませて、さあどっちが高級品でしょう、とやるわけですが、面白いことに大抵普段からワインをよく飲んでいると称する人や名誉ソムリエなんかをやっている人に限って間違えるのでした。
 実際これはある意味無理もないのでして、私の乏しい経験から言っても、とても美味しい手頃なチリワインやカリフォルニアワインは確かに存在するし、超級ブランドでも「あれっ?」と思う物がないわけでもない。古いビンテージなんかを有料テイスティングで飲んだりすると、うーん確かに丸くなってはいるけれど、値段程の喜びがあるかというとどうなのかなあと思ったりもする。多分私自身、濃くて味のしっかりしている物が好きなようなので、新しいビンテージのシャキッとした舌触りの方が合うみたい。
 以前に2000円のチリワイン「モンテス・アルファ」と15000円のカリフォルニアワイン「オーパス・ワン」、そして2万円以上するフランスの超級ブランド「シャトー・ムートン」をブラインドで試飲したところ、一番人気だったのが2000円の「モンテス・アルファ」でした。雑味がなくしかも濃い味、香りも良い、となれば、チリワインの人気が上がるのも無理はないですね。
 今回用意したのはカリフォルニアの赤「シミ・カベルネ・ソーヴィニヨン95年」。以前田崎真也さん司会の番組「わいん好き」で、「シャトー・マルゴー」しか飲まないと豪語するデーブ大久保氏に、田崎さんがすすめたのがこのワイン。大久保氏いわく「これうまいじゃん! これでいいよ俺!」。果たして、そんなにうまいのか? というわけで、渋谷東急で見つけて買って置いたものでした。
 対するはボルドーの「ヴュー・プラトー・セルタン92年」「ペトリュス」のような超級ブランドに引き続き、「ル・パン」などの話題の超ブランドを産出しているポムロールのワインで、「ル・パン」の次はこれだ!とのお店の売り文句に惹かれて買った物。「ポムロール」といえばメルロー主体で、ちょっと品種の違いが気になりますが、少なくとも私の乏しい経験ではポムロールのワインは苦味も強く濃い、という印象があったので……。
 今回は私もブラインドテストに参加。テイスティング用のグラスに同量注ぎ、比較試飲。AとBとでは、Aの方が香りが明らかに強く味も濃厚。迷わずAがポムロールと紙に書いて提出。さて結果は……。
 九人中当てたのはたった一人。私もしっかり間違えた。当てた人いわく「Aの方がおいしいから、多分カリフォルニアワインだろうと思った」とのこと。文字どおりの大正解。「シミ」の方が断然強い味だったのでした。
 本来なら品種とビンテージも合わせるべきだったかもしれませんが……メルローの方が柔らかいし、寝かせた物ほどアタックは弱くなるし……。しかし逆を言えば、この「シミ」、めちゃくちゃ美味しいです。普通のボルドー物を買うくらいなら、確かにこっちのカリフォルニアワインを選んだ方がお買い得かも。カレラも凄いと思ったけど、考えてみれば気候が安定していて降水量も低いカリフォルニアの方が、ワインの生産には向いているのだよね。作り手もフランスの超級を目標に頑張っているし。
←ちょっと今回残念だった「ヴュー・プラトー・セルタン」



トップページに戻る。
◆「一杯のお酒でくつろごう」のコーナーに戻る。
◆「宇都宮斉作品集紹介」のコーナーへ。
◆「宇都宮斉プロフィール」のコーナーへ。
◆「漫画・映画・小説・その他もろもろ」のコーナーへ。
◆「オリジナル・イラスト」のコーナーへ。
◆「短編小説」のコーナーへ。