「シャトー・レヴァンジル」86年



 さる11日、やまやでワインフェアーがあるので出掛けたのですが、そこで有料試飲会をやっていました。「シャトー・パルメ82年」の試飲。グラス一杯2000円、もしボトルで買えば三万円という代物。しばし周辺をうろうろしたあげく、結局2000円払って飲んでみることに。
 「パネメ」なら91年と86年を飲んだことがあります。91年はシャープでどっしりとした印象。ビンテージチャートの評価とは裏腹に、めちゃくちゃ美味しかったので良く覚えてます。86年もかなりうまみのある味と香りで、私の中では非常に強いボルドーという印象があります。マルゴー村のワインですが、シャトー・マルゴーよりも濃いのではと思うくらい。しかるに82年は……?
 デカンターに移してから若干の時間が経っていたとは思うのですが、やはり香りと味が弱い印象。やや枯れすぎているような気が……好みにもよるでしょうが、どこら辺が飲み頃かは非常に微妙。どうも私はあまり熟成しすぎて渋みが落ちてしまうとかえって駄目みたい。寝かせてもオーケーだなあと思ったのは「シャトー・コスデストゥルネル」の81年。20年近いものにしては随分味がしっかりしていたような記憶があります。超ブランド物ではムートンの81年がセラーにあるのですが、当たり年ではないのでもうそろそろ飲んだ方がよいらしい。この間「空けてしまおうか」と知人に見せたら、「どうせなら女性と飲んでくれ」と言われてしまった。うーむ……。
 最近思ったのは、ボルドーの貴腐ワインならやはり10年程度寝かせた方が複雑味が増して良いみたい、ということ。ブドウの品種も地域も限られているから、結構指標になるかも。ボルドーは一般に82年、86年、90年が当たり年ということになっているようですが、ボルドーといっても広うございますから、あまり決めつけても良くないみたい。
 さて、土曜日に母と弟とで新宿京王プラザホテルの「アンブローシャ」で飲んだのが、ロゼワイン「アンリオ・ロゼ88年」とこの「シャトー・レヴァンジル86年」。86年のポムロールも微妙なところ。香りに若干のタバコ香というか煙っぽい燻したようなニュアンスが混じって、非常に熟成感がある一方で、ややコクが足りない感じ。弟いわく、「なんかおじいさんがお茶を飲んでいるような感じ」とのこと。新しいビンテージのもつコク味がもう少し欲しいところですが、おそらくはそういった成分は熟成と同時に澱となって落ちてしまうのでしょうね。
 それにしても、いざラベルを持ち帰ってファイルに整理しようといて、なんと2年前の4月に、やはり新宿で家族と会食した時に全く同じ銘柄・同じビンテージの「シャトー・レヴァンジル86年」を飲んでいたことを発見。なんで忘れてたんだ〜。手術の前だったせいか、いつものように感想を書いていなかったところを見ると、意外と印象が薄かったに違いない。もっとも、その時の精神状態にもよるから、一概にワインのせいとは言えませんけどね。やれやれ。

←「アンリオ・ロゼ88年」
ロゼシャンパーニュも10年以上経つとロゼというよりは褐色に近くレンガ色になった赤ワインを薄めたような色合いになります。でも舌触りは柔らかく、超ブランドの若い辛口シャンパーニュよりも酸味が抜けて美味しくなるような気がします。




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