「bricchi MEJ」91年
横浜のバー、「STONE free」で頂いた珍しいイタリアの貴腐ワイン。何でもハーフボトルで300本しかないという貴重品で、ここの常連でもあるSさんの持ち込みでした。「ぜひ買って飲ませて!」と催促したのは他ならぬ私なのですが、自分で買った訳でもないのにラベルまで貰って帰ってしまいました。うう、申し訳ない!
えらく横に細長いラベルもなかなか独特のもの。多分、もう飲めないんだろうなあ。
貴腐ワインと言えばボルドーのソーテルヌが有名で、「シャトー・ディケム」をはじめとして「クリマン」「クーテ」「リューセック」等目白押しなのですが、そのスタイルには一貫したものがあり基本的な味の方向性は同じだと思います。でもこのピエモンテの貴腐ワインはちょっと印象が違うのでした。とにかく香りが抜群に強く、しかも軽やか。樹液っぽいニュアンスを持ちながらも香水をかいでいるような華やかな印象。「桔梗ヶ原メルロー」に次ぐ香りに驚くワインと言えましょう。多分ブドウの品種が違うんじゃないかな……と思いつつも、品種までは明記されていないし、珍しすぎてものの本には載っていないし、そう想像するしかないのでした。以前に飲んだイタリアの貴腐ワインはマスカットを使用していたけど、それとはちょっと印象違うし。うーん、やはりワインは奥が深い。
ビンテージとしてもそろそろ10年目ということで丁度良い熟成度合いだし、まあバーで飲むと独特の雰囲気にのまれてますます素晴らしく感じる傾向もありますが、いずれにしても横浜まで来た甲斐があったというものです。Sさん、また声を掛けて下さいね。