「シャトー・シャロン」79年



 土曜の昼に、母親と弟と新宿のメダリオンで食事。アドバイザー試験を控えての私のワガママで、「シャトー・シャロン」を注文しました。
 これはジュラ地方で造られる特殊なワイン。赤でもなく白でもなく「黄ワイン」(ヴァン・ジョーン)なのでした。品種はサヴァニャン、熟成は樽で6年、あえて目減り分の補充をせず、産膜酵母をつけてあえてシェリー香をつけたもの。ソムリエの教本に必ず出てくる、いわゆる「試験に出るワイン」なのでした。
 教本には出てくるものの、正直言って店で売っているのも見たことがない……たまたま前回このお店に来たとき、ワインリストに載っていたのを覚えていて、ようしぜひ飲んでみようと思ったのでした。注文したら逆にお店の人の方が困惑顔。「どういうワインか、ご存じなんでしょうか?」
 何でも聞くところによると、この十年間でこのワインが注文されたのは今回も含めてわずかに三本。そのうち一本は外国人の方が注文して、しかも「これは酸化している!」と文句を言われたとか。わざと酸化させているので、そう言われてもどうしようもないところですが、確かにこれは好みの分かれるワインですね。クラヴランという特殊なぴん(ここら辺も試験に出やすい要因でしょうか……)に入っていて、容量も620mlと通常より少なめ、シェリーと違って酒精強化されていないから、アルコールも通常通り14度未満なのですが、何故か持て余し気味。風味が独特で重たいので、シェリー同様食前酒にちょこっと頂くのが丁度良いかも。「シャロン」という語感がなかなか優しいイメージであるのに比べ、ワインそのものはどっしり型。ハードチーズのコンテあたりが合う、ということですが、いずれにしてもメインの肉料理には合わせにくいと思い、別にカリフォルニアの「クロ・デュ・ヴァル」の赤を注文。いつもなら一瓶頼むところですが、今回はハーフボトルで充分でした。
 いつも通りラベルを貰おうとしたところ、何故かいつものシールを使ってもラベルが剥がれず、仕方がないのでたまたま弟がデジカメを持っていたのでその場で撮影したのが上の写真。瓶は記念に持ち帰りました。この日はこの後イタリア料理の店によってリキュールを飲んだ後、夜のOB会に参加して日本酒を飲みまくり、酒浸りの一日。まったく、試験前に何やってんだか。



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