「ルロア・コルトン・シャルルマーニュ」98年



 表参道の「アンフォール」にて、WINESCHOLA主催の「ルロア試飲会」に参加。ああ、毎回こんな高級ワインの試飲会に参加していた日にゃ、いくらお小遣いがあっても身が持たないわ……といいつつ、やっぱりいそいそと出掛けるのだった。どうせ人生、他に楽しみもないし。
 さて、この日のラインナップは……
・Auxey Duresses Blanc 98(白)
・Corton Charlemagne 98(白)
・Vosne Romanee les Beaux Monts 98(赤)
・Pommard les Vignots 98(赤)
・Clos de Vougeot 98(赤)
・Clos de Vougeot 97(赤)

 まずは白。オークセイ・デュレスは色は輝きのある黄金色、香りはフレッシュで、果実感が豊かな印象。含み香も豊かだけど刺激は少ない。一方コルトン・シャルルマーニュは生産量三樽、全部で900本という希少なもの。色はさらに濃く、甘いジャムを思わせるような独特の香りがあり、味もややオイリーというか重たい感じ、さらにスモーキーな感じがしました。同じシャルドネの高級種でも比較するとかなり違います。
 ここで出されたのは豚の血のソーセージ。ほんの少量がスプーンに載せた状態で出されたのですが、なかなかのお味。これにカニやホタテとホウレンソウのソテーが加わり、試飲会はますます盛り上がるのでした。
 赤に入り、まずはヴォーヌ・ロマネ。色は暗く、香りも重たい。ムスクはあまり感じられず、むしろシラーを思わせる少し酢っぱめの香りが感じられました。苦味はさほどではないのですが、一種の凝縮感のある味。一見ボルドー風ですね。
 ポマールは色は同じくらい暗いのですが、若干のムスク香を感じ、土っぽいニュアンスも。ポマールはものの本には大抵「柔らかい」と表現されるのですが、あまり当てはまらないですね。むしろタンニンが強めで「強い」印象があります。価格的には断然ヴォーヌ・ロマネの方が倍くらい上なんだろうけど、私としてはこっちのポマールの方が好みかも。
 クロ・ド・ヴージョの98年と97年を比較試飲。並べて飲むと確かに違うものなのですね。ビンテージが違うと味も変わる、しかもこれがそれぞれ熟成して変化していくから、ますます公平な判断は難しかろうというものですが……。98年は色は暗くバランスは良い。97年は98年よりはなやか。98年よりも濃く、苦渋味が強く、凝縮感があって、ジャムのような香りもムスクのような香りも強い。一般には97年より98年の方がタンニンも多くバランスが取れていて評価が高いそうですが、ことルロアのヴージョに関しては、97の方が「強い」と言えそう。97年は暑かったので、酸が少ない傾向があり、180近くのドメインが補酸をしているそうです。
 お料理は七面鳥のグリル。クリスマス〜! カブ、トウモロコシ、ブロッコリー入り。前に七面鳥を自分で料理したときは、なんかぱさぱさしていてイマイチのできだったのですが、この七面鳥は歯ごたえがあってかつジューシー、やはり調理法によってここまで違うのだな、と実感。
 最後はチーズの盛り合わせ。モンドールをはじめとしてウォッシュ、ハード、ブルーチーズが出されました。
 うーん、大満足。やっぱり、また案内が来たら参加するんだろうな……。
 さて、ラベルを貰っていこうと思ったんだけど、ルロアのラベルってみんな同じデザインなんだよね。醸造家に徹しているマダム・ルロアにとって、ラベルデザインなんか凝る必要はない、みんな同じで充分、ということなんだろうけど……。とりあえず「コルトン・シャルルマーニュ」のラベルをいただく。今回一番印象が強かったからかな。少なくとも以前飲んだことのあるシャルルマーニュとはかなり印象が違っていました。シャルルマーニュといえば、あのカール大帝のことですが、コルトンで作られる赤・白のワインのうち、シャルルマーニュを名乗るのは白だけ。なんでもある日カール大帝が赤ワインを飲んだら、その髭が赤く染まってしまい、それを臣下の者に笑われた。怒ったカールは赤ワインを全部ひっこ抜いたのだとか。あくまでオハナシですけど、ホントだとしたらちょっと大帝というには心が狭くないかい?



トップページに戻る。
◆「一杯のお酒でくつろごう」のコーナーに戻る。
◆「宇都宮斉作品集紹介」のコーナーへ。
◆「宇都宮斉プロフィール」のコーナーへ。
◆「漫画・映画・小説・その他もろもろ」のコーナーへ。
◆「オリジナル・イラスト」のコーナーへ。
◆「短編小説」のコーナーへ。