「トンカツ」
トンカツに合うワインは何? そもそもがカツレツ→カットレット(骨付きロース)が語源。もともとが西洋料理。田崎真也氏監修の「わいん好き」では、白ワインを煮詰めレモン汁と塩で調味したソースと白のフランチャコルタで、もしくは赤ワインを煮詰め市販トンカツソースとバターを加えたソースで赤のコート・デュ・ローヌを合わせる、とあります。料理本体はシンプルな味なので、ソース次第で合わせるワインも違ってくるわけです。ちなみにソムリエ教本には、「ヴィナー・シュニッツェル(子牛のカツレツ)」にメドックやグラーヴの繊細な辛口赤、切れ味の良いリースリングの白が適応、とあります。どうやらあまり濃厚なワインを合わせる物ではないらしいですね。
Aさん宅で出されたのがこの「トンカツ」カベルネ・ソーヴィニョン。トンカツに合うワインとして作られたそうな。しかもフランスのヴァン・ド・ペイ・ドック、すなわちラングドック・ルーションの地酒。ご丁寧にトンカツの写真ラベル。
といっても肝心のトンカツはなかったので、トンカツの味を想像しながら頂いたのでした。カベルネとしてはあっさりとした印象。酸味も強く、開栓時は若干の酢酸臭が感じられたくらい。なんとなくトンカツに合うと言われるとどっちかというと濃厚タイプをイメージしてしまうのですが、これくらいの仕立ての方が本当は合うのかも。
一方、Tさんの持ってきたワインはかなり正統派のボルドー。「バロン・ド・レスタック」。色は濃く、香りも濃厚でスワリングすると次第に甘くなっていくタイプ。味もコクがあり苦渋味がしっかりしていて、もしかしたら長熟タイプなのかも。「家にころがっていた貰い物で、家族は飲まないから」とのことでしたが、案外これって高級タイプなのではないかしらん。ネットで調べてみると、「ジャパンインターナショナルワインチャレンジ1999銀賞受賞」、発酵後六ヶ月間新樽熟成、とあります。ワインチャレンジ……どういうコンテストなんだろう。いつどこで決めてるんですかね。
他にも色々飲んだような気がするなあ。ちゃんとメモ取っておけば良かったんだけど。Sさんの持ってきたのはイタリアの白ワイン。酸味が控えめでそれでいてコクがあるのですいすい飲めちゃう。Kさんの持ってきたのは濁り生酒。非常に高濃度でまるでカルピスの原液のような粘性あり。一見薄めないと飲めないんじゃないかしらと思ったけど、でも結構甘酒感覚で飲めてしまうのでした。他に純米吟醸「瑞鷹(ずいよう)」も。Oさんが持ってきたのは各種地ビール。麦だけじゃなくイモまで使った「サツマイモラガー」や、緑茶を加えた「狭山茶発泡酒」。前者はほのかに甘く、アルコールも7度と濃いめでした。日本では副原料にこういったものを使うと発泡酒扱いになるのでした。