「ZD.」99年
ひさびさのワインのページ更新。別にその間飲んでいなかったわけではないのですが、面倒臭かっただけでして。でも今回はこのページを読んでくれているいつもお世話になっているSさんのリクエストもあるので、これはさぼってはいけないなと。
この日は麻布十番にて飲み会。ほんとうの話、「まだ食事していないんです〜」と泣きついたら可哀想に思ったSさんに案内されて別の会社の方の会合に混ぜてもらった次第でして、ある意味運が良かったのだな。
「この人、ソムリエなんです」
「本当?」
「いえ、ソムリエ資格はサービス業の経験がないと取れないんで、ワインアドバイザーなんで……」
「それじゃ、ソムリエさん、次のワイン選んでよ」
と言って渡されたのが、さすがしゃれた店、かなり分厚いワインリスト。ちらりと既に空けられたボトルを見ると、アンティノリのキャンティ・クラシコ・リゼルバ。キャンティの中でもかなりしっかりした味のある赤。うーむ強敵。ある程度価格帯を合わせつつ、さらに飲みごたえのあるタイプを選ぶなら、カリフォルニア物だろうか……といって選んだのが、白の「ZD.シャルドネ」と赤の「エンタンシア・カベルネ・ソーヴィニョン」でした。
以前飲もうと思っていて、なかなかその機会のなかったZD(確か二年前の米国出張の時同行していた上司の買ったワインがこれだったんじゃないかな)でしたが、カリフォルニアのシャルドネならボディはあるはず、と思って注文したのでありました。アルファベットだけの名前ってのもなんか格好良いし(なんのこっちゃ)。しかし、実際に飲んでみてびっくり。99年物なのに、えらくしっかりした濃密な香りを持っている。かなり個性の強い白。樽熟成から生じるヴァニラの風味が特徴とは聞いていたけど、これは実際旨いのでした。
レストランで同じ価格帯なら、フランス・イタリア物はどうしても高くつくので、カリフォルニア物かオーストラリア物の方がはずれは少ないようです。
他の方々にも思った以上に好評で、とりあえずは飛び入り参加ながら面目を果たしたのでした。半分近く初対面なのにも関わらず、似顔絵描きなどしてしっかり図々しく居座る私。もっとも調子に乗って追加注文した甘口の貴腐ワイン「スデュイロー」95年は、私は気に入ったのだけど皆さん殆ど出来上がっていてグラスがあまり空かなかったのは残念でしたが。
というわけで、仕事で中座されたSさん、こんなところでよろしいでしょうか?