「第一楽章」96年



 二回目の「WINESCHOLA ENGLISH」はピノ・ノワールがテーマ。オーストラリアやニュージーランド、カリフォルニアのピノ・ノワールについて講義があった後、ブラインドテイスティングへ。布で包まれ銘柄を隠したボトルが6つ。当然全部ピノ・ノワールと思いきや、一本だけ謎の銘柄があるという。
 さて、それはどこの国の物かということになり、参加者の意見が集められました。
 外観は「Clear, Medium to deep intensity, ruby red, with some pink at the edge」、香りは「clean, Pronounced, youthful, note of spice, black pepper, plum, some oak character」、味は「Dry, Soft tannin, High Acidity, Medium Body, Fruity, Sour cherry, Vanilla, and spice from oak」といったところ。(と書いても、何か普通の赤ワインのコメントのようなんですけど……)
 果実感のあるところから、南半球のワインじゃないかしらとアタリをつけて、私は「チリ」と答えたのでした。チリのピノなんて自分でも聞いたことがないけれど。他の人たちは三人が「南アフリカ」と答えました(ピノタージュかな?)。他にも「スペイン」とか答えた人もいたけれど、結局「全員不正解」だという。
 正解はなんと「日本、栃木」の、マスカット・ベリーAとブラック・クイーンのブレンド「第一楽章」。こころみ学園のワイン醸造所、ココ・ファーム・ワイナリーの製品。よりによって日本とは、やられた! という感じ。

 "For fun I thought it would be intereting to add this Japanese wine to the selection. American winemaker and Sensei Bruce Gutlove at Coco Farm Winery in Tochigi make this wine. A blend of Japanese specialties Muscat Belier and Black Queen it should show that these litle known grapes have great potential in this country."

 上記が先生のコメント。確かに我々、大して飲んでもいないのに、ブラック・クイーンやマスカット・ベリーAなんてどうせ、と思い込んでいるところはあります。ピノ・ノワールと近い味質だけど、よりシャープな印象。適度に樽のニュアンスもついてとても贅沢な感じのする赤でした。国産のブドウ品種のワインもなかなか捨てたものではないですね。「第一楽章」というのも、なんとなく「オーパス・ワン(作品番号第一番)」を意識しているんでしょうけど、いいネーミングだと思うし。今度見つけたら買ってみよう。 



◆トップページに戻る。
◆「宇都宮斉作品集紹介」のコーナーへ。
◆「宇都宮斉プロフィール」のコーナーへ。
◆「一杯のお酒でくつろごう」のコーナーへ。
◆「漫画・映画・小説・その他もろもろ」のコーナーへ戻る。
◆「オリジナル・イラスト」のコーナーへ。
◆「短編小説」のコーナーへ。