「黒龍・垂れ口」本醸造



 急遽自宅でフグ鍋を食べることに。中身とお酒は別な人が調達し、こちらでは電熱器と鍋と場所を提供するということで、今回はあまり出費しなくて済むかな、と思ったのですが、どうせならちゃんとした土鍋セットを買っちまおうとデパートに行き、結局れんげと小皿まで揃えてしまいました。ああなんてお金の貯まらない性格……。
 某氏の持ち込んでくれた日本酒は「黒龍」の濁り酒「垂れ口」。福井のお酒です。米は五百万石、新酒生瓶詰で、アルコールは19.5%。これは醸造酒の限界値だとか。これ以上アルコールが高いと酵母も死んじゃって発酵出来ないんですね。一般に日本酒はワインより高アルコール。これはデンプンが糖に変わる過程と、糖がアルコールに変わる過程が併行して進行するため(併行複発酵)で、結局日本酒が醸造酒の中では一番アルコールが高くなるのです。
 さて、濁り酒は結構出来不出来があります。結構有名な銘柄でも「げっ」と思ったことはしばしば。しかし、この「垂れ口」は絶品でした。お、おいしいではないか! 久しぶりに納得した私は、ホームページに「日本酒」のコーナーも設けなければ、と思ったのでした。
 しかしこの「垂れ口」、醸造アルコール添加タイプなので「純米酒」ではないし、精白歩合65%なので「吟醸酒」でもない。一般的に言われている品質表示に照らし合わせると一番下になってしまうのですが、どう見ても味は良いのでした。べたつきもないし、意味感もなく、適度なコクがあります。とにかくお酒というのは、やはり自分で飲んでみないと分からないものだなあとつくづく思ったのでした。



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