「4月の独り言」


<人も機械も調子を崩すもの……>
 季節の変わり目には風邪をひきやすい……とうわけでしっかりと風邪をひいてしまいました。とは言うものの実は風邪らしい風邪をひくのは1年ぶりであります。一昨年の秋から1年間新潟に赴任していた間は不思議と風邪にはかからなかったのでした。新潟は寒いから当然調子を崩しやすいだろうと思いきや、実は新潟市は海に近く意外と気候も穏やかで、少なくとも一年間の間はそれほど大雪もなく、マンションの15階にいたこともあって、それほど気温の落差に悩むこともなかったのでした。
 というわけでそうなると、「俺様はめったなことでは風邪なんかひかんのだ」と思い上がってしまい、3月後半は多少寒くてもコートなんか着ないでいたし、風呂から上がった後も一時間ほど殆ど素っ裸のままテレビを見たりしていたし、少しばかり喉がひりひりしてもきっと花粉症だよと放って置いたら、3月の最終日なんかは殆ど声も出せない有様でした。顔を真っ赤にしていたというから、もしかしたら今思うとそれなりに熱も出していたのかしらん。
 ちなみに子供の頃は風邪ばかりひいていたような気がする。小児喘息の気もあって、ひと冬に3回くらいは熱出して寝込んでいたような。熱が出てしまうと本当に何も出来ないという情けない有様で、思い出したくもないがさぞかしみっともない子供だったに違いない。きっと家もあまり良くなかったんじゃないかしら、すきま風だらけで。1人暮らしをするようになってからあまり風邪をひかなくなりましたね。案外マンション暮らしが体調に合っているのかも。たまに親の家に泊まったりすると逆に調子を崩したりするし。
 さてそういう調子の悪いときに限って、回りの物も何故か調子が悪くなるものらしい。突然プラズマテレビの画面 が真っ暗になり、音は出るのに映像が全く映らなくなりました。説明書に従って電源を入れたり切ったりしたものの回復せず、しょうがないので修理サービスに電話をかけて来てもらうことに。 こちらは平日いないし、土曜日に来てもらうしかないので、ほぼ一週間のおあずけ。さて実際に見てもらうと、意外と厄介な代物のようで、結局裏のパネルを外して、何やら付けたり外したりした後、とりあえずは修繕完了。しめて33,390円なり。
 ……た、高い……。
 財布の中身では足りず、押し入れを探し回って何とかかき集め、お支払い。ちょっと焦る
 「あのう、何が原因だったんでしょうか……」
 「5〜6年経つと、まあこういうこともあるんですよ。精密機械なので」
 うーん、確かに分解しているところを見ていた限りでは、パソコンみたいに細かい部品が一杯だったし、このところ立て続けに2回も引越したから負荷がかかったかも、とは思ったのですが……。もっと頑丈に作ることもできるんじゃないかしら。最近ではオーディオも車もパソコンみたいな部品が満載だけど、その分一定期間が過ぎると壊れて買い直しをさせたくなるように仕組まれているんじゃないかしら? 丈夫で長持ちの電気製品なんて電機会社にとってはあまり有り難いものではないのじゃないかしらん。そういえばCDデッキもDVDレコーダーも、新しく買ったものの方が、買ってからしばらくして調子が悪くなって業者を呼んだりしたもんなあ。昔安くで買ったテレビやアンプの方がよっぽど長持ちしているぞ?
 とはいえこっちも風邪でごほごほ言っている身、テレビが頑丈でないことをなじっていても今一つ説得力がない。病気にかかったから治療した、と思うしかないなあ。などと考えていた休み明け、月曜日の会議での報告会の際、今度は手持ちのノートパソコンがプレゼンの直前にダウンしてしまった。キーを一切受け付けず、何か良く分からないが1,2,3,…とカウントをし始める。
 「あっ、これこれ……ハードディスクがオシャカになる前触れ」
 「わしのもこれの後壊れた」
 おいおい……風邪のウィルスは機械にも伝染るんですか? 


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