「年賀状デザインコーナー96年〜」


2004年「申(美猴王・孫悟空)」

サルと言えば孫悟空でございます。サルにもいろいろありまして、本場中国では猿(エン)と猴(コウ)があり、前者はテナガザル、後者はマカカ属を指しているとされます。マカカ属はニホンザルと同種のアカゲザルが代表種で、中国人にとっても最も見慣れたサルなのだそうです。このあたりについては中野美代子著「孫悟空の誕生」(福武文庫)に詳しいのですが、「美猴王」を名乗った孫悟空は間違いなくこのマカカ属アカゲザルの仲間に属しています。
「孫悟空」は様々な分野でビジュアル化され、多くはハヌマーンのような半人半猿の姿で描かれています。最近では寺田克也「西遊奇伝・大猿王」あたりが注目株でしょうが、ゴリラ系というかまさにキングコングまような姿となっています。まあその方が圧倒的に存在感があるのですが、本来はあのちいさなニホンザルやアカゲザルをモデルに描くべきだろうと思って、体長55センチ、尾の長さ20センチのオレンジ色の毛をした孫悟空にしてみました。
時間のない中、キンコーズで一番安くて早い印刷を選ばざるを得なかったのですが、意外と手作りっぽい仕上がりで評判は良かったです。

 

 

 



2003年「未(ムートン)」
2000年から2002年まで続いたシリアス路線からうって変わって、三頭身キャラクターのファンタジー路線で。「シャトー・ムートン」の1999年ラベルと2000年ラベルを使用して仕上げました。このためにわざわざ4万円近くする2000年ボトル(いつもの絵画ラベルではなく、ムートン・ロッチルド博物館所蔵の金に銀メッキが施された大杯「アウグスブルクの羊」をボトルに直接刻んだもの)を購入したりして。しかもわざわざ買ったにも関わらず画面 の向こうにちょこっと見えるだけだったりして。羊の年賀状は12年前にエアブラシで描いた作品もあるんだけれど、比較してみると殆ど進歩がないというのも恐ろしい限り。

 

 

 



 



2002年「午(ユニコーン)」
馬といえばやはり幻獣の「ユニコーン」でしょう、というわけで、かなり前から決めてはいたのですが、結局時間がなく、まぎわにユニコーンの絵を描いて適当に著作権フリーの背景を組み合わせて大急ぎで制作したのでした。どうせ次の年の干支は決まっているんだからもっと早くから描いておけよ、と毎回自分を戒めているのですが、やっぱり年末って何かと忙しいのです。

 

 

 

 

 

 



2001年「巳(サーペント)」
こちらへ向かって舌を出しているキングコブラを描き、入手した地球の写真を処理して重ねました。蛇は通 常「スネーク(snake)」なんだけれど、幻獣としての虹色の蛇(rainbow serpents)や聖書のアダムとイブを誘惑する悪魔としての蛇(the Serpent)などは「サーペント」という語を使うことからこれを表題にしてみました。前回の「ドラゴン」以降、そのままの英語ではなく幻獣や別 の言い方を使って雰囲気を出すようにしています。

 

 

 

 



2000年「辰(ドラゴン)」
都庁の写真をパステル調に処理して、雲の画像データを何枚か重ねて色調補正し、その上にスキャナで取り込んだ龍の鉛筆画に彩色した物を重ねました。もっとリアリティのある迫力満点の絵にしょうと思っていたんだけど……。今一つ龍の巨大さが表現しきれていませんねえ。




1999年「ウサギ」
ペン画をスキャンしてPhotoshopでペイント。もっとシンプルなデザインにするつもりだったんだけど、12の月を四匹のウサギがかわりばんこで紹介する、というイメージが浮かんだのでさっそく描いちゃいました。




1998年「トラ」
MACのphotoshopで作成。ヒマがなかったのでますます時間をかけていない。スピード感を出そうと背景を処理したけれど、殆どボケてるようにしか見えない。


1997年「ウシ」
再びMACでペイント。殆ど数時間で仕上げてしまいました。ピカソの「ゲルニカ」が貼り付けてあるのはご愛敬。

1996年「ネズミ」
ペン画をスキャナーで取り込んでMACでペイント。エアブラシで描いていた頃の方が綺麗だと言われてしまった。



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