「ワイン史年表」
B.C.4000 ギリシャにワイン伝わる。
B.C.3100-1500 エジプト第一〜十八王朝 ピラミッドにワイン醸造の絵
B.C.1700 バビロン王朝ハンムラビ法典「酒癖の悪い者にはワインを売るべからず」
B.C.16C. クレタ島のミノア文明ミノス王朝期、最古の足踏み破砕器。
B.C.1500 クレタ島、エーゲ海へ浸透、ワインの庶民化
B.C.1100 フェニキア人、スペインのマラガ、ヘレスに上陸、ブドウの樹を持ち込み栽培。
B.C.8C.頃 シチリア島にてワイン栽培始まる。
B.C.600 フェニキア人によって、南仏マルセイユにワイン伝わる。
B.C.4C. タッソス島のワイン生産者・消費者を保護する最初の法律の刻まれた大理石のプレート。
B.C.197 ローマ人、スペインのタラゴナへ。カタルーニャとナバーラで販売目的のワイン生産開始。
B.C.146-A.D.330 ギリシャ、ローマ帝国の支配下に。
B.C.121 史上空前の「偉大なるビンテージ」
B.C.52 シーザーによるガリア征服。
B.C.100〜50頃 ジュリアス・シーザーによりローヌ、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ロワールへ
マルクス・ルシニウス・クラッススによってボルドー・南西地方へワイン広まる。
92 ローマ皇帝ドミチアヌス、ブドウ栽培禁止法令。
1-2C.頃 ローマ軍、ドイツ南部のトリアー近郊にヴィニフェラ系のエルプリング種持ち込む。
2C.頃 ドイツ、ノイマーゲンからピースポート付近一帯のモーゼル河沿いにブドウ畑作られる。
280 ワイン皇帝と呼ばれるローマ皇帝プロブス(在276-282)、ブドウ栽培禁止法令廃止。
モーゼル〜ライン中心にワイン奨励。(ヨーロッパワイン文化の古代最後の全盛)
313 コンスタンティヌス帝によるキリスト教公認。
375 ゲルマン民族大移動〜ワイン史上暗黒の350年始まる。
476 西ローマ帝国滅亡。
711 ムーア人がスペインに侵入、ワイン生産停滞。
768 カール大帝(742-814)即位、ブドウ畑の建て直し。ラインガウの発見、足踏み禁止。
850 修道士ラバウス・マウルス、ヨハニスベルクに初めてブドウの作付け。
11C初 スペイン、レオン王国がムーア人をドゥエロ河まで後退させ、ワイン生産再開。
ハンガリー建国の王、聖ステファン一世キリスト教入信、伊の葡萄栽培を招き入れる
〜トカイのフルミント栽培の始まり。
1098 シトー派創立。
1108 シトー派修道院、Clos de Vougeot建立。
1130 ベネディクト派修道院、ヨハニスベルクに開設。
1135 エーベルバッハにベルナルド・クレルヴォーによってシトー派修道院クロスター・エーベルバッハ設立(現国立ワイン醸造所)
1152 ヘンリー二世(プランタジネット)とエレノア・ダキテーヌの結婚。
1154 ヘンリー二世王位相続、ボルドーは以降300年間イギリス領となる。
1236 イギリス、カンタベリー公会議にて聖職者の教飲を禁止。
1304-9 ボローニャのベトルス・デ・クレスチェンティーヌ、農学書出版〜第四巻葡萄学
1336 Clos de Vougeotの畑ができる。
1337-1453 百年戦争
1354 エドワード三世、ロンドン商人へボルドーからの直売を禁止。
1395 ブルゴーニュ公フィリップ・ル・アルディ、ワイン品質保護〜ガメ種の栽培禁止。
1418 ポルトガル人のマデイラ島発見。
1421 エンリケ航海王、ギリシャのクレタ島・キプロス島からマデイラへ葡萄を移植。
1443 ブルゴーニュ公国の財務長官ニコラ・ロラン、オスピス・ド・ボーヌ設立。
1495 バーデン領主クリストフの布告〜ワインの異物混入禁止、硫黄の使用のみ認める。
1498 コロンブス第三回目アメリカ渡航の際、キューバにて野生葡萄を発見、イサベラ女王に献上。
1549 ポルトガルのフランシスコ・ザビエル、種子島入港、薩摩の島津貴久に珍陀酒(Tinta)献上。
1551 チリにヴィニフェラ種導入、ワイン栽培始まる。〜スペインの開拓者による。
1557 アルゼンチンへ、サンチャゴ・デル・エステロの住人によりチリからヴィニフェラ種導入。
1572 スペイン人、メキシコにて葡萄山を開拓、原産種の葡萄を栽培する。
1602 バージニアで英国系の商社、野生葡萄を栽培してワインを作る。
1618-48 三十年戦争。ドイツ全土荒廃。バイエルンは以降ビール生産へ。
1652 南アフリカ、オランダ東インド会社のヤン・ファン・リーベックがケープタウンに入植、
1655年ブドウの苗木を植え、
1659年ワインを造った。
1668 ドン・ペリニヨン、オーヴィレール修道院のセラーマスターに。
発泡とアサンブラージュの原理。
17C.中 シャンパーニュの製造始まる。
1685 ルイ十四世、ナント勅令(新教徒の信仰の自由)を廃止。
1688 ナント勅令の廃止によりフランスのユグノー教徒の亡命者達が南アフリカへ上陸、ワインの質向上。
17C.頃 帆船時代にマデイラワイン、酸化風味知られる。〜18C.に酒精強化ワインとなる。
17C.末 コルク栓使用開始
1729 リュイナール社創業〜最初のシャンパーニュメーカー。
1756 世界最初の原産地管理法、ポルトガルのポルトが指定される。
首相マルケル・ド・ポンバル侯爵の功績。
1769 アメリカ、ローマカトリック教会のフランシスコ修道会の修道士達がミサ用にワイン造り始める。
1770 スペインの僧侶セラ神父、教区カリフォルニアのサン・ディエゴで葡萄園を開く。
1775 ヨハニスベルク城にて遅摘み(シュペートレーゼ)の発見。貴腐の発見。
1783 アウスレーゼの開発。
1784 オーストリア皇帝ヨゼフ二世、ブッシェンシャンク法制定、外国ワインに関税をかける。
1787 トマス・ジェファーソンによるボルドーの私的格付け。ムートン三級に。
1788 オーストラリア、英国のアーサー・フィリップ大佐が記念にシドニーのフィリップ提督公邸庭園にブドウの樹を植え、ワイン生産始まる。
1789 フランスのラボアジェ、アルコール発酵の行程から「質量不変の法則」を確立。
18C.頃 イギリス主導で近代的なシェリーの生産体制整う。
ルイ十五世の時代、発泡酒大量生産によりコルク栓使用が一般化。
1801 科学者Chaptal、補糖発酵法発表。
1803 史上初のワイン化学の本の出版。
1807 ヴュルテムベルク州政府、遅摘み法と選果法を法律で義務づける。
1810 Gay Lussac、アルコール発酵の化学方程式を発表。
1811 彗星の年、偉大なるビンテージ。
ナッサウ公、シュタインベルガーの一部にカビネット名付ける。
1815 ボルドーのクルティエ(仲買業者)ロートンによるボルドーの私的格付けでムートン二級に。
1818 チリ、スペインから独立。
1819 ニュージーランド、シドニーから派遣されてきた聖公会牧師サムエル・マースデンが北島のケリエリにオーストラリアから携えてきた100種余りのブドウの苗を植える。
1822 カビネットの呼称、ヨハニスベルクでも取り入れられる。
1825 オーストラリア、ハンターヴァレーに本格的なヴィンヤード開かれる。
1828 ドイツの化学者ガル、湿式補糖法提唱〜1980年まで。
1830 ドイツの物理学者フェルディナンド・エクスレ、糖度計の発明。
1848 ヘルマン・クリューズ、ボルドーの先物買い〜ウドンコ病により47年ビンテージ大暴騰。
1851 チリのブドウ栽培の父シルヴェストーレ・オチャガビア、フランスから高級ブドウ品種を導入。
1853 ロスチャイルド家のナサニエル男爵、ムートンを112万フランで購入。
1855 ナポレオン三世によるボルドー、ソーテルヌ&バルザックの格付け制定
1855-6 ウドンコ病(Oidium)による被害
1857 パストゥール、発酵が微生物の作用によることを発見。→低温殺菌法の発見へ。
1859 米国のフィッチ、フィロキセラの学名をビテックス・ビティフォリーと名付ける。
1860 均質なガラス瓶の生産が可能になる。
1860頃 カリフォルニアワインの父、アゴストン・ハラジーがヨーロッパからヴィニフェラ系の苗木を300種取り寄せる。
カナダでもワイン造り始まる。
1861 南北戦争・ゴールドラッシュ。
1863 アメリカ大陸からフィロキセラ、ヨーロッパへ侵入、ローヌに最初の被害。
パストゥール、ナポレオン三世からの委嘱を受け、ワインの劣化が酸素によることを突き止める。
1868 ロスチャイルド家のジェームズ男爵、ラフィットを444万フランで購入。
1869 大陸横断鉄道開通。
1870 フィロキセラ、オーストリアへ。
病菌ペロノスポーラと真性メルタウ、米国からヨーロッパへ。
1872 スペイン、CAVAの生産開始。
1874 アメリカ、フィロキセラ被害。
1877 チリワイン、はじめてヨーロッパへ輸出される。
1878-80 ベト病(Mildiou)による被害。
1883 フィロキセラ、イタリアへ。
1884 フィロキセラ禍、アメリカ産の台木(Vitis Rupestris, Vitis Riparia, Vitis Berlandieri)により解決
1888 オーストリア、最初のワイン法制定。
1889 フランスにおける最初のワインに関する法律。
1891 マドリッド協定〜シャブリ、ポート等の原産地名の保護〜米国批准せず。
1895 フィロキセラ、ドイツへ広がる。ブドウ畑は1/3(5万ha)に。
1897 ブフナー、完全な発酵理論を発表。
19C.末 フィロキセラ禍の為に、フランスからリオハへボルドーの醸造技術持ち込まれる。
1910 VDP(ドイツ高級ワイン生産者連盟)創設。
1914 ドイツのブドウ畑、10万haまで回復。
1918 南アフリカ、KWV(南アフリカワイン醸造者共同組合連合)設立。
1920 スペインにてワイン生産地の指定制度。
1920-33 アメリカ禁酒法。
1924 イタリア、優良ワインを保護するための最初の法律制定。
バロン・フィリップ、全てのムートンのシャトー元詰め開始、絵画ラベル開始。
1932 スペインにてリオハなど18の原産地呼称発表。
1934 アメリカ、醸造家組合協会〜ワイン・インスティテュート設立。
1935 フランス、全国原産地名称協会(I.N.A.O.)設立、原産地統制名称法(A.O.C.)制定
1937 イタリア、ワイン法の改正。
1945 ロマネ・コンティの最後の接ぎ木されていないブドウが引き抜かれる。A.O.V.D.Q.S.誕生。
1949 フランス、A.O.V.D.Q.S.、I.N.A.O.の管理下に置かれる。
1953 グラーヴの最初の格付け。
1954 サン・テミリオンの最初の格付け(以降'54, '58, '69, '79, '84, '86, '96年)。
1959 グラーヴの第二回目の格付け。アルゼンチンにワイン法制定。
1961 南アフリカ共和国誕生。
1963 イタリア、本格的なワイン保護法「ワイン用ブドウ果汁とワインの原産地呼称保護の為の規則」制定。
1969 ブリュッセルにて第一回世界最優秀ソムリエコンクール〜優勝アルマン・メルコニアン(仏)
1970 スペイン、「ブドウ畑、ワイン及びアルコールに関する法令」施行、これに基づきINDO(国立 原産地呼称庁)設立。
1971 ドイツ新ワイン法、四つの品質分類へ。リープフラウミルヒ規制。
ギリシャ、新しいワイン法を制定。
1973 ニュージーランド、マールボロ地区のソーヴィニヨン・ブラン植樹。
南アフリカ、ワインとスピリッツ委員会発足、WO制定。
ムートン、第一級に昇格。当時の農業大臣はジャック・シラク。
1975 イタリア、バルバレスコのガヤ、新酒(Vino Novello)始める。
スペイン、カルロス一世が国王に即位。ガストロノミが注目される。
ニュージーランドワイン協会創立。
1976 ジネステ社、シャトー・マルゴー売却。
パリにて仏対米のブラインドテイスティング。
一位は赤がスタッグス・リープ、白がシャトー・モンテリーナ、共にカリフォルニア産。
1977 スペイン、シェリーの認定。
1978 アメリカ、AVA法規制定→1983施行。
カレラ・ピノ・ノワール・ジェンセン最初の収穫。700ケース。
ソムリエのヴィアリス、スキップ社にソムリエナイフの製造依頼〜シャトー・ラギオール誕生。
1979 フランス、O.N.I.V.I.N.S.(全国ワイン同業者連合会)、A.N.I.V.I.T.(全国VdT,VdPワイン委員 会)の設立〜VdPの規定制定
チリ、スペインのトーレス醸造所が子会社ヴィーニャ・ミゲル・トーレス設立、最新技術導入。
1981 ギリシャ、EUのワイン法を導入。
1983 ラインガウにてカルタワイン開始。アメリカのワイン法整理される。
1984 カナダにてアイスワイン始まる。
1985 ドイツ、ワインスキャンダル〜不凍液(ジエチレングリコール)混入事件。
1986 ドイツにてリースリング・ホッホゲヴェックス、モーゼルターラー、RSワイン等の開始。
スペインにてCAVAの認定。日本、国際ソムリエ連盟参加。
1987 ポルトガル、EU加盟、ワイン法を整備しV.Q.P.R.D.の制度を設ける。
1988 カナダにて品質協定V.Q.A.が導入され、特定栽培地域D.V.A.が指定される(現在7カ所)。
スイス、A.O.C.法制定。
1989 第五級のCh. Mouton Baronne Philippe、Ch. d'Armailhacダルマイヤックへと名称変更。
1990 ポルトガル、I.P.R.制定。
1991 南アフリカ、アパルトヘイト全廃。ワイン輸出再開。
1992 ドイツ、セレクション・ラインヘッセン始まる。イタリア、ワイン法の改正。
1994 ドイツにて、ゼクトのシャンパーニュ方式の表示禁止。「フラッシェンゲールング方式」とする。
1995 ブシャール・ペール・エ・フィス(264年続いたブルゴーニュ最古の家族経営会社)人手に渡る。
シラク大統領の核実験再開宣言。東京にて第八回世界最優秀ソムリエコンクール〜田崎真也優勝。
1998 第九回世界最優秀ソムリエコンクール〜優勝マルクス・デル・モネゴ(独)
1999 ラインガウの協会「カルタ」がVDPラインガウと合併。