「シャトー・タケダ」95年




 知人のT氏宅にてニホンのワインを二本あけました(いや別にシャレのつもりでは……)。白の「シャトー・タケダ」と赤の「シャトー・ルミエール」です。
 「シャトー・タケダ」95年は渋谷の東急で前から扱っていたので、他の店ではあまり見かけないなあと思い気にはなっていたのですが、これは「蔵王スターワイン」とかを作っている山形のタケダワイナリーの作っているものなのですね。シャルドネ100%の白と、カベルネ・ソーヴィニヨン50%+メルロー50%の赤の二つの種類があり、垣根仕立て、手詰み、フレンチ・オークによる熟成、シャトー元詰めと、フランスの正統派の醸造スタイルを徹底させたワインです。タケダワイナリーは1920年から葡萄栽培を始め、自然農法による高級ワインを作り続けています。1988年には本格的なシャルドネ100%のシャンパーニュスタイルの発泡ワイン「キュベ・ヨシコ」を発売。こちらも機会を見て飲んでみたいものです。
 実際に飲んでみると、フランスの特級クラスの持つ複雑味や、カリフォルニアの甘ったるさはなく、果 実由来の熟成香がしっかりと感じられ、その一方で余計な雑味がない点が特長的。ある意味、非常に丁寧に作られたワインという印象を受けました。
 「シャトー・ルミエール」90年は少し明るめの赤紫色で果 実香が強く、かつ10年以上寝かせているせいか非常にまろやかな味に仕上っていました。カベルネ主体ではありますが、こちらもボルドーやブルゴーニュの持つムスク香というか動物的なニュアンスは感じられないものの、植物性の香りが非常に豊かで、ある意味非常に繊細なバランスを持ったワインでした。
 株式会社ルミエールは、明治18年創業の山梨甲州の老舗のワイナリー。大正7年から皇室御用達となり、95年にもリユブリアナ国際コンクールで金賞を受賞しています。
 
  日本は雨が多いせいか、欧米の上級ワインに比べて全体的にパワーやボディが不足しがち。今回の2品はそれでもかなり高いレベルにあると思うものの、動物的な香りなどが混じる複雑さという点ではフランスのトップクラスにはかなわないし、ねっとりとした濃厚さという点ではカリフォルニアやオーストラリアの極上物には及ばないでしょう。でも重すぎず軽すぎずといった計算された仕上りに、上質の清酒に見られる職人のワザが感じられます。T氏いわく「この作り手がもしフランスに行ったらかなり凄いワインを作れるんじゃないか?」とのことですが、なんとなく分かるような気がしますね。



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