「モンティボー・ファンダン」2000年
1月は鍋をやろう、ということで、YさんとIさんが素敵なフォンデュ鍋セットを持参してくれました(写 真に撮っておかなかったのが悔やまれる……それどころではありませんでしたが)。ニョッキ用に粉をこねまわしているうちにお客さんが次々と来訪。結局当初の予定を超えて10人近い人数が集まりました。用意したワインは以下の通 り。やはりフォンデュにはスイスワインを、ということでお店で聞いて回ったのですが、伊勢丹にも東急にも見つからない。ドイツやオーストリアに比べてさらにマイナーで、殆どのお店で扱いがないようです。そこでお店で聞いて合うと言われたものをセレクトしてもらい購入。とはいうもののあきらめきれず、インターネットで探してみるとスイスワインのセットを販売しているサイトがあったのでそちらで4本入りセットを購入。いずれも基本的にはリーズナブルな価格のものばかり。パンや野菜に溶かしたチーズをからめて食べるというシンプルなものなので、そんなに重たいワインを組みあわせる必要はないみたい。
・モンティボー・フアンダン2000年(白・スイス)
・グルナッシュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ2000年(白・仏)
・レゼルヴェ・デュ・ペール・モーリス・ピノ・ノワール(赤・スイス)
・アルザス・ヴィーベルスベルグ・リースリング2001年(白・仏)
・ドメーヌ・ヴァレット・マコン・シャントレ2000年(白・仏)
・ルネッサンス・リザーヴ・カベルネ・ソーヴィニヨン1998年(赤・米)
・デレア・カラート・メルロー1999年(赤・スイス)
・アンセルマン・ゲヴルツトラミネール・シュペートレーゼ1999年(白・独)
鍋にワインを入れて温め、そこに刻んだグリエールとエメンタールをゆっくり溶かし込み、ナツメグとキルシュを少量
加えて出来上がり。チーズは合わせて1.2kg位買っておいたのですが、細かく切ったパンと野菜をスティックに刺して……とやっていたら、人数が人数なだけに一杯目はあっという間になくなってしまいました。こりゃいかんと途中から参加の人に電話連絡で追加を頼んだのですが、2杯目のゴルゴンゾーラタイプを食べるころにはペースダウン。さすがに元はチーズの固まりなので、結構こたえるみたい。結局3杯目は少量
で済んでしまい、追加依頼した分は余ってしまったのでした。
ちなみに一杯目は、レシピ通りやってみたのですが、後半すぐにチーズが硬くなってしまい、かつアルコールが苦手な人にはちょっとつらいということで、2杯目はワインのアルコールを十分に飛ばし、牛乳で少し伸ばして、かつキルシュは控えめにしたところ、かなりいい感じに仕上がりました。
さて、まず一杯目はスイスワイン「モンティボー・ファンダン」。「ファンダン」はスイス最大のワイン生産地ヴァレの銘柄で、シャスラから作られる辛口の白ワイン。試験勉強で知ってはいましたが、飲むのは今回が初めて。香りは控えめで味もえらくすっきりしていて、いわゆる淡麗系の日本酒に近い雰囲気。とにかく口に残らない、切れ味のある……ある意味余韻には乏しい白でした。なるほどあちらの人はこれを飲みながらフォンデュを食べるのね。ある意味チーズの風味をまったく邪魔しないワインですが、これは最初に飲まないと……後から飲むワインに負けてしまいそう。
フランスワインも試そうということで、渋谷東急で進められた「グルナッシュ・ブラン」。グルナッシュは赤のタイプの印象が強いので、白のグルナッシュというのはある意味珍しいかも。ヴァン・ド・ペイということで非常にすっきりしたタイプ。ただし上記のファンダンよりはボディがあります。
赤も飲んでみようと、スイスのピノ・ノワール「レゼルヴェ・デュ・ペール・モーリス・ピノ・ノワール」へ。これは結構渋味あり。ブルゴーニュの果
実味と柔らかい酸味を持つピノ・ノワールとはまた異る印象で、ドイツのピノ・ノワールが確かこんなテイストだったと思うのですが、それよりはやや渋いような気がします。
再び白に戻り、アルザスのリースリング「アルザス・ヴィーベルスベルグ・リースリング」へ。香りは文字通
り甘口ですが、口当たりはややドライ。「ドメーヌ・ヴァレット・マコン・シャントレ」は、同じく渋谷東急で濃厚なゴルゴンゾーラのフォンデュにどうかと進められたもの。なるほど確かにマコンのシャルドネは、これといい「プイイ・フュッセ」といい意外としっかりしています。
ここらで一つ、ボディのある赤をということで、カリフォルニアの「ルネッサンス」を。以前にも飲んだことのある銘柄ですが、非常にバランスの良いコクのある赤。一方スイスの赤「デレア・カラート・メルロー」は、ミディアムボディではあるものの意外と渋味があり、どちらかというと植物系の風味のあるメルローでした。
「アンセルマン・ゲヴルツトラミネール・シュペートレーゼ」は甘口の白。デザート用ですが、フルーティで飲みやすく、それでいてゲヴェルツならではのボディも兼ね備えています。とはいうもののこの辺になると少々記憶も怪しいのですが。
他に用意した料理は、スイスの家庭料理の定番(と某サイトに紹介されていた)という鶏胸肉のホウレンソウ詰め。厚めの胸肉に切れ目を入れて、ほうれん草を炒めてタマネギやチーズを加えたものをその中に詰め、フライパンで焼き色をつけたあとしばらく煮込み、ナツメグとクリームのソースで頂くというもの。初めて作った割にはまあまあの仕上がりでした。
銀座「グレープガンボ」で味わったアナゴとフォアグラのソテーにも挑戦。もっともアナゴは既に加熱して味をつけたものしか売っていないし、フォアグラも冷凍パック物しか手に入らなかったので、これを温めて重ねただけ。フォアグラをソテーして残った油でバルサミコソースを作ろうとしたら、油が跳ね回ってえらいことに。そこら中煙だらけになってしまいました。なるほど、バルサミコはまずそのままの状態で煮詰めて、後からオイルで伸ばすのですね。あらためてやり直し。取りあえずは何とか形になりました。
サイコロステーキと野菜のグリルも用意。こちらはそのまま塩・コショウして焼いただけ。
最後はデザートにチョコレートフォンデュ。刻んで溶かしたチョコレートにクリームとブランデーを加えて、これをフルーツに絡めて頂くというもの。ビターチョコ版とホワイトチョコ版の2通
りで楽しもう、と考えたのですが、ホワイトチョコの方は何故か練乳みたいになってしまいいまいち。結局二つを混ぜてミルクチョコレートフォンデュになりました。
鍋だから簡単さ……と思っていたら、これが鍋にこびりついてしまい、結構後始末が大変。結局セミナーを挟んで翌日夕方までかかってしまったのでありました。Yさんフォンデュ鍋ありがとうございます。洗って箱にしまってありますのでいつでも取りに来てくらさい。