「クロ・レオ」2004年
「ゆきのまちパーティ」では、毎回参加して頂いている萩尾望都先生にちなんだワインを用意しています。本年5月のパーティの際に用意した物の一つがSF長編「マージナル」にちなんだワイン「マージナル」なのですが、もう一本、萩尾先生にプレゼントさせて頂いたのがこの「クロ・レオ」でした。もちろん本年刊行の単行本「レオくん」にちなんだもの。シンプルながらなかなかに風格のあるライオンのラベル、今飲んでも良し、長期熟成させても良しのボルドーとなれば、これはもうぴったり、と自画自賛してはいたものの、評判の良いこのワイン、実はまだ飲んだことがなかったのでした。
というわけで、今回別のパーティで用意したこの「クロ・レオ」、遅ればせながら試飲してみることにしました。2004年物ということで、熟成とまではいかないもののそれなりにまろやかになっているのでは? と思ったのですが、色は濃い赤紫色で、グラスの底が見えないほど、香りも複雑で葡萄の皮の風味が強く、果実味もあってまだまだ若々しい感じ。タンニンもしっかりしていて、上質のボルドーの味わいと、新世界ワインのフルーティさの両方を兼ね備えたタイプの赤ワインでした。メルロー80%とカベルネ・フラン20%のブレンドとのことで、なるほどこの独特の柔らかさは旨味のある良質のメルローならではのもの。
さて、このワイン、ボルドーのコート・ド・カスティヨンで日本人醸造家の篠原麗雄(しのはら・れお)氏が造ったワイン。そうか、名前がレオだったからそのままワイン名にしたのか! 「ヴァランドロー」のジャン・リュック・テュヌバンと、「オーゾンヌ」のアラン・ヴォーディエの協力のもと、2002年から造り始めたのだとか。化学肥料を使わず、収穫は手摘み・粒選り、平均樹齢は35年、2004年の生産量はわずかに1,800本程度という稀少品。愛妻の名を冠した「キュヴェ・キャホリン」というセカンドワインも造られています。