「城の平カベルネ・ソーヴィニョン」94年
ワインアドバイザー合格を祝って、ワインスカラのメンバーと田原町の「Vin
Chou」で祝賀会。
試験を受ける前から、合格の暁には皆で秘蔵の一本を持ってくるという約束だったので、秋田在住のお医者さんのSさんは「DRCロマネ・サン・ヴィヴァン」を持ってくると宣言していました。まあ言ってみれば、それを飲むためにお勉強したようなものだし。
今回集まったのは次のようなそうそうたる顔ぶれ。一応メモしたんだけど、書き残しがあるかも。なにしろ10人近く集まって一人一本飲んだので、最後の方はかなり酔っ払ってしまったし。
●「ローラン・ペリエ・グラン・シエクル90年」
「グラン・シエクル(偉大な世紀)」という名のシャンパーニュを作っているメーカーは? という二次試験の問題にあやかって、という……なんて気の利いたオープニング! 色は濃く、酸味は控えめで、これはかなり飲みごたえのあるシャンパーニュ。
●「シシリア・マリア・コスタンツァ99年」
シチリアの白ワイン。酸味が控えめで実に飲みやすい白。
●「シャプティエ・コンドリュー99年」
ラベルに点字が打ってあるのが特徴。独特の花のような香りがあって、まさにヴィオニエならではの風味。
●「ムーラン・ナ・ヴァン97年」
ガメ種を使っているはずなのだけど、香りはピノ・ノワール、味は酸味があってまるでサンジョヴェーゼのよう。
●「DRCロマネ・サンヴィヴァン94年」
殆ど熟成を感じさせない明るい赤紫色。ムスク香のニュアンスのある重ための香り。雑味がないので、そのまますいすいと飲めてしまいそう。堂々とした風格のピノ・ノワール。ちなみに手元にあるワインフェアでは、94年のロマネ・サン・ヴィヴァンは5万円。
●「城の平カベルネ・ソーヴィニョン94年」
私の持ち込んだのがこれ。二年前に偶然手に入れることのできた一本。次に手に入ることがなかったら開けるまいと思っていたら、三日前に96年物を新宿で見つけたので今回持ってくることを決心したのでした。日本ではじめてボルドー国際コンクールの金賞を受賞した勝沼で栽培されるメルシャンの逸品。あの「桔梗ヶ原メルロー」の兄貴分にあたるのでしょうが、それ以上に手に入らないし。何でも土壌に牡蛎の殻などを加えて、土から作り上げたとか。実際、香りは正統派のカベルネ・ソーヴィニョンなんだけど、味わいは柔らかくメルローの持つ穏やかさを兼ね備えているような気がします。
●「シャトー・パルメ88年」
これを持ち込んだNさんはパルメに惚れ込んでいて、殆ど手に入る全てのビンテージを揃えているとか。確かに、格付第三級ながら、「シャトー・マルゴー」にひけを取らない高い品質を誇る名品です。私がはじめて飲んだのは86年だったと思うけど、何よりもその柔らかさにびっくり。普通のボルドーは若いときは苦渋く、年月を経ると丸くなっていくものですが、パルメは若いうちはむしろ軽やかに感じられ、時間が経つと肉厚になっていくとか。「城の平」よりもより香りが柔らかく感じられたのも、必ずしもビンテージだけのせいではないでしょう。
●「シャトー・マルゴー90年」
Yさんが93年にこの90年を買ったときは、1万円払わずに買うことができたとか。その後90年物ボルドーが評判となり、折からのワインブーム、めちゃくちゃ高くなった上に完売となってしまったのは周知の事実。まさか飲むことができるとは! 香りは甘めで、なおかつ先程のパルメよりもシャープな印象。10年前であるにも関わらず、殆ど熟成を感じさせない色と味わい。93年物を飲んだことかあって、その時は非常にソフトで「やはりマルゴーは柔らかなタイプなのだな」と納得した記憶がありますが、90年となると大分印象が違うぞ。
●「シャトー・ラ・ガフリエール67年」
サンテミリオンのプルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(第一級特級)。しかも67年だ! これは持ち込んだ方のバースディ・ビンテージだったんですねえ。さすがに67年のボルドーともなると、色の輝きは失われ、心なしかやや濁った感じ。でも香りは軽やかで、サンテミリオン特有のふんわりとした柔らかい風味は健在なのでした。タンニンは落ち着き、刺激は殆どなくなってるけど、ボディはかろうじて保ってるという……多分丁度限界に達した頃だったかも知れませんね。そうでなくてもボルドーの重たい物が続いたから、これは先に飲むべきだったかなあ。
●「ラ・フランス・高畠ワイン」
これは珍しいラフランスで作った甘いデザートワイン。何とも不思議な味わいでした。なるほどどんな果物だってワインは作れるんだよなあ。皮ごと果汁にする点から、葡萄だけがどうしても脚光を浴びてしまうけど、ホントは果実酒ってもっとバリエーションがあってもいいわけで、そのうちブルーベリーワインなんかにもビンテージ物ができたりして。