04年/「第43回SF大会(G-CON2004)」体験記
●開催:2004年8月21日〜22日 長良国際会議場
●参加企画:第一日 1)SFアートギャラリー<通し企画>(堀直樹)
2)それはダイコンフィルムから始まった!(日下三蔵他)
3)SF物の本棚(山本弘他)
4)SF創作講座(森下一仁、久美沙織、塩澤快浩、三村美衣、平田真夫)
第二日 1)空想科学寄席(柳家喬太郎、柳家風太郎、快楽亭ブラッC)
2)ライトでハードな物語〜創作の裏側(林譲治、野尻抱介)
3)愛しのSFX映画クロニクル(中子真治、中村哲、早川優)
4)SFイラスト登竜門(小浜徹也、塩澤快浩、梶山聡、中津宗一郎)
午前八時半頃東京発の新幹線に乗り込み、サンドイッチと紅茶で一服しながら名古屋まで。東海道線に乗り換えて岐阜に到着。駅からバスで長良国際会議場へ向かい、十一時半頃には会場に到着。
大急ぎで「アートギャラリー」に作品を展示した後、正午から大ホールでオープニングセレモニー。恒例のオープニングアニメは殆ど下書き状態。な、情けない……。ちなみにこのあとのプログラムで、20年前の1984年DAICON-4のオープニングアニメを観たのですが、プロ顔負けの仕上がりで当時のSF映画や漫画のエッセンスが全て詰まった贅沢な映像でした。もう20年前には戻れないのね……。まずは星雲賞の授賞式。デヴィッド・ブリンにテッド・チャン、梶尾真治に小川一水と順当な作品が受賞されたものの、賞品は作品名の入った提灯二つ。喜んでいたのは梶尾氏くらいのもので、他の人達はかなり迷惑そうでした。小川氏が「記念に……」と壇上から携帯で会場を撮影していたのが印象的。
企画を覗く前にちょっとソバでも……と思ったのですが、会議場とそれに隣接するルネッサンスホテルにもそれらしい食事所は見当たらず、結局ルネッサンスホテル内のレストランへ。いつもの悪いクセで、飛騨牛のステーキランチなるものを頂いてしまったのでした。丁度席に着くのと入れ替わりに岡田斗司夫夫妻が出ていきました。肉を増量
してもらい、赤ワインまで飲んですっかりくつろぎモード。だからというわけではないと思うのですが、創作講座の前に聴講した「SF物の本棚」の企画なんか殆ど記憶になかったりして。
●「SF創作講座」
毎年SF大会で行われる創作講座。今回で七回目で、そのうち私は六回作品を提出しています。何か回を経るごとに自分のレベルが下っているような……。今回提出した作品は一人称のSFミステリーでしたが、オチから描いたことがミエミエで、その分オチを付けるための設定になってしまっているとの指摘あり。うーん、整理しきれなかったか……。次回はもっと登場人物を絞って直球勝負で行こうっと。
企画は六時半から八時までで延長なし、ということで、例年に比べて駆け足で終わった感はあったものの、密度の濃い講座でした。講座終了後森下先生や久美先生と共に総勢十名ほどで会場から少し離れたカレーバイキングの店でお食事。インドビールなるものを飲んでみました。結構甘味があって辛いカレーには合うかも。1600円でカレー食べ放題なのですが、ナンやらタンドリーチキンやらが出た段階でもうお腹一杯。昼間食べ過ぎたしな〜。十時頃解散して、そのまま岐阜近くに泊まっている人三名とタクシーでホテルへ。テレビで丁度北野武版「座頭市」を観てから寝ました。
翌朝、八時過ぎ頃チェックアウトして会場へと向かう。バスを乗り間違えてしまい一駅戻って乗り換え、それでもなんとか無事に9時半頃会場に到着。とり・みき作の本を二冊ほど購入してから、主催のS田さんに誘われていた「空想科学寄席」を観に大ホールへ。この時間帯は他に朝暮さんの企画やYさんの企画が重なっていたのでちょっと心残り。
●「空想科学寄席」
S田さん企画のSFをネタにした寄席。一番手は快楽亭ブラッC氏による落語。以前「空想小説ワークショップ」に顔を出していた人なので、随所にSFネタが盛り込まれていて、いまいち話の持っていき方が強引な気がしたもののそこそこウケていたみたい。二番手は風太郎氏の出番のはずが、急遽入れ替えで先輩の喬太郎氏が登場。死神をネタにした怪談話で、ところどころくすぐりにSF大会ネタを入れているものの、全体としては極めて真っ当な落語でした。三番手はダダ落語を持ちネタとする風太郎氏。ダダ落語は以前に観たことがあるので、ネタ自体は既になじみのもの。絵を使ったりぬ
いぐるみを使ったりの熱演で、なるほどあえてこちらをエンディングに持ってきたか……とおもったのですが、その後S田さんのホームページを見てみると、酔っ払って寝坊したあげくに時間になっても控室に現れなかったので、急遽仕方なく順番を入れ替えたのだそうな。S田さんは腹を立てて製作を請け負っていた風太郎氏のホームページを封鎖してしまったようです……。振り返ってみるとなかなか面
白い企画だったと思うのですが、来年はもうやらないかも知れないなあ。
●「愛しのSFX映画クロニクル」
SFXプロデューサーとして映画製作にも参加している中子真治氏のインタビュー。「キングコング」「2001年宇宙の旅」「スター・ウォーズ」の映像紹介から始まり、岐阜の自宅にあるハリウッド映画などで使用された撮影モデルコレクションの数々も映像で紹介。映像の中での相手役は大会の司会も務めたことがある尾山ノルマさん。活躍してるなあ〜。
そうこうするうちにエンディング。暗黒星雲賞では大きな旗が賞品。こちらももらってしまうと持て余すよなあ。星雲賞と暗黒星雲賞の両方を獲得してしまった小川一水氏は結局バイクで提灯と旗を持ち帰ったんだろうか、と思わず心配してしまったりして。
エンディングが終わるとそそくさと退散、会場のタクシー乗り場でそのままタクシーに乗り込み岐阜駅へ。予約していた午後六時発の新幹線にはなんとか間に合ったのでした。帰りの新幹線の中で水割りを飲みながらくつろぐ。かくして夏は終わりぬ
。