「3月の独り言」


<「交響曲"HIROSHIMA"」ふたたび
 2014年に入ってから二ヶ月とちょっと、その割には世の中色々動いています。都知事選挙にソチ・オリンピック、STAP細胞発見にウクライナ崩壊、様々な事件がありましたが、実は一番強いインパクト…というかかなり気持ちが振り回させてしまったのが、例の「佐村河内守」問題だったりします。
 思えばホームページに「佐村河内守“交響曲第1番”」の感想を書いたのが1年前、その後発売されているCD、DVDの類は全て購入、演奏なんかしないのにおまけのCD欲しさに「レクイエム」の楽譜まで買ってしまった矢先に、例の報道が流れたのでした。
 最初は、病気だから代筆とかもありだろう、くらいに構えていたら、次々と報道内容はエスカレートし、どちらかというと悪質な詐称事件の様相を呈してきて、喜んで聴いてた身としては、別に何かこちらが損をしたわけでもないのにひたすら気持ちは落ち込むばかりなのでした。
 そんな中、興味を惹かれたのが例の「指示書」という代物。曲のコンセプトやフローなどが記された物で、これ自体も代筆疑惑ありとまで言われてはいるものの、いわゆる仕事で作成するプレゼン設計図や創作物の企画書などを思わせるものでした。新聞記事では楽器の指定や時間の指定がないので使えないとコメントした専門家もいましたが、実際の演奏では楽器編成や時間配分は指揮者が決めていたりするので、その意味では新垣氏が「指示書を受け取って作成したから著作権は主張しない」と述べているのも分かる気がするのです。
 逆に言えば、むしろ「自分が真の作曲家だからこれからは自分名義で次の曲を発表していく」という流れの方が望ましいくらいで、こうなると次の作品「交響曲第2番」はまず世に出ることはないのだろうなと思うと、やはり意味もなく落ち込んでしまうのでした。

 


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