【展覧会】「ムートン・ロスシルド・ラベル原画展」(森アーツセンターギャラリー)
毎年選ばれた著名なアーティストがそのラベルの絵を描くという、ボルドーの第1級ワイン「シャトー・ムートン・ロスシルド」。所有者があの著名なロスチャイルド一族ということもあって、どこか豪華で贅沢で、超級ワインのビンテージ違いを飲み比べたいという愛好家の心情をいやがうえにも挑発してしまうワインであります。高い買い物ではありますが、毎年必ず買っているというコレクターは結構いるはず。私自身五大シャトーの中では圧倒的に所有率が高いですね。80年代以降、95年とか2000年とかの、高くてまだ飲むには勿体ないグレートビンテージを除くとある程度は飲んでいるはずだし、まだセラーの中にも何本かあるし。なまじラベルが違うだけに、それぞれのビンテージの印象は意外と覚えていたりします。大抵は早く飲みすぎたりして、ベストの状態で飲んでいないような気がするのが少々難点ではありますが……。気合いを入れてしっかり毎年集めようと思いつつ、年々価格が高くなるので正直手が出しづらいです。
しかしピカソ、ダリ、シャガール、ブラック、マリー・ローランサン、コクトー等々、初期の頃は教科書に載るような有名な芸術家が名を連ねているものの、最近のものはあまり馴染みのない現代前衛芸術家や南米・アジアの画家が選ばれていて、正直このラベルを描いてるのはどんな人なんだろうかと思うことも多いのでした。今、自宅の廊下には1945年から2000年までのラベルを並べたポスターを貼っていますが、あらためて眺めてみると知らないアーティストが多いです。
それぞれのアーティストを解説してくれる本とか欲しいなあと思っていたところ、何と待ちに待った原画展が六本木で開催されるというので、さっそくチケットをゲット。3月はあまり時間も取れず、殆ど終了間際の3月30日(日)に行ったのですが、観客はまばらで、お陰でゆっくり観ることができました。こういう展覧会で人が入らないというのでは、ワインについても芸術についても日本人はまだまだだなあ、などと思ってしまいましたが、まともにコレクションを揃えているわけでもなく、ラベルのアーティストをちゃんとそらんじている訳でもない自分がそこまで言えるものではないですね。
展示された全作品を網羅したカタログは、8,950円。高いよ……ワインが買えるよ……と思いつつも、これはやはり買わないわけにはいきません。一つ一つのラベルについて、没デザインも含めて掲載してくれているのは有り難いかぎり。でも文字が大きすぎて殆ど画家に関する情報が載っていない。ここはやはり、それぞれの画家の年譜や代表作についてもう少し触れていて欲しかったです。
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