「ベアー・ボート」99年




 「WINESCHOLA」TEAM2000のワイン会、この日のテーマは「動物ラベル」。シャルドネ種のみとか、イタリアDOCGのみとか、ローヌ産のみとか、それなりにアカデミックなテーマで来ていたワインの会ですが、今回は「動物がラベルに描かれているワイン」がテーマ。各自持ち寄り飲み比べることに。
 絵的に面白いだろう、というので賛成したものの、いざ集めようとすると悩んでしまうもの。特に皆さん舌が肥えているので、あまり並のワインでは満足しないだろうし、かといってあまりミーハーなものも……結局私が選んだのはカリフォルニアの「スタッグス・リープ」のシャルドネ。まあ、いかにも手堅い選択になってしまいました。
 集まったワインは以下の八本。

1)Burg Wildeck Traminer Kabinett   2000 Staatsweingut Weinsberg(3匹の獅子) <独>
2)Stagユs Leap Wine Cellars Chardonnay Reserve 1996 (鹿)<米>
3)Goats do Roam 2000(山羊) <南アフリカ>
4)RUSSIAN RIVER VALLEY PINOT NOIR BEAR BOAT 1999(くま)<米>
5)SPINETTA Green Label BARBARESCO LASPINETTA 1998(緑のサイ)<伊>
6)Chignale 1993(イノシシ) <伊>
7)Vletti Barolo Brunate 1995(カタツムリ)<伊>
8)Harison ZEBRA ZINFANDEL North Coast 2000(しまうま)
<米>

 なるほど意外とあるものです。国的には、やはりというかイタリアとアメリカに集中しているみたい。4)のスピネッタなどは、それほど有名になる前に渋谷東急で一本買ってきて「サイのラベルの割には美味いじゃん」等と思ったもの。それにしてもいまだに何でサイなのかナゾであります。ハリソンのシマウマなどは見たことのあるものですが、中にはカタツムリなんていう珍しいラベルも。

「トラミネール・キャビネット」はトラミネール種使用だけれど、リースリングのように甘い香り。マスカットのようにフルーティだけれどどこかオイリーなニュアンスもあります。淡い黄色で、飲んでみるとややミネラルを感じます。花香もあり、ヴィオニエ種を甘くしたような感じ。銀座松坂屋の裏の、ドイツワインのみ扱っているワイネックスというところで売っていたとのこと。
「スタッグス・リープ・シャルドネ」は、オーク香を強く感じるいかにも新世界のシャルドネ。バニラが強いのでアメリカンオークかしらと思ったのですが、ここはフレンチオークを使っているらしい。ということは樽から来るというよりもやはりブドウそのものから来る熟成香なのかしら。味は濃厚で、パワーがあり、トースト香も強く、飲みごたえのある白。
「ゴート・ド・ローム」はヤギのラベル。「ヤギ(GOAT)がさまよう(Roam)」という意味らしいけれど、フランスの名産地「コート・ド・ローヌ」とかけているらしい。品種はシラーだそうですが、色は明るく透明度もあるルビー色。プラムの香り。やや魚の鱗を思わせるような、動物的というのとはちょっと違う変わった風味を感じました。酸味は強く、ボディもしっかり。
「ベアー・ボート」はカリフォルニアのピノ・ノワール。二匹のクマがボートを漕いでいるというなかなかほのぼのとしたラベルが印象的。結構ファンシーな外見ですが中身は意外と手堅いバランスの良いワインでした。ルビーの輝きに果 実味の豊かな香り。素直なピノ・ノワールといった印象です。
「スピネッタ」は話題になったイタリアワイン。透明感と輝きのあるスカーレット。果 実香の中にプラムの香りあり。若干スパイシー。酸味もコクも強めで、いい意味で動物的なニュアンスあり。
「チニャーレ」はカベルネとサンジョヴェーゼの混醸。オーパス・ワンのようなやや尻すぼみのボトルでした。スピネッタより濃い色をしていて、香りは93年物にもかかわらず青っぽさを残していました。酸味もありますが非常にまろやか。動物的というよりは果 実のニュアンスの強い赤でした。
「ヴィエッテイ・バローロ」は明るい輝きのある赤紫でいかにも正統派のバローロ。「ハリソン・ジンファンデル」はいかにもジンファンデルならではの野性的な香りが印象的。ここら辺に来るとかなりアルコールも回ってきていて、メモしておいた内容もかなり心許ない状態ではあります。
 ラベルを眺めているだけでも楽しい取り合わせでしたが、次回は植物ラベルか? とひそかに期待したものの、やはり皆さん12月の大詰めにはもう少し本格的なアイテムで揃えたいということで、次回はブルゴーニュの「ニュイvsボーヌ」ということになりました。
 ラベルは全て転写して持ち帰ったのですが、それをYさんが下図のように一枚のシートに並べて記念に皆に配ってくれたのでした。 うん、確かに並べてみると壮観であります。こういう楽しみ方もありだと思いますね。



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