「シャトー・グラン・ピュイ・デュカス」1994年


      


 銀座「カーヴ・ド・タナカ」にてWINESCHOLAのTEAM2000の会。今回は持込みなしで、オーナーお任せのワインセレクション。あえて言うなら、アメリカとフランスの比較。当初は米・仏4本ずつ計8本を計画していたようなのだけれど、結局はシャルドネ2本、ピノ・ノワール2本、ボルドーのマグナム1本に落ち着きました。
 一本目は「コロンビア・クレスト・シャルドネ2000年」。緑がかった透明感のある黄色の液色にフレッシュな果 実香。導入部としては申し分のない白でした。二本目は「シャトー・モンテリーナ・シャルドネ97年」。 1976年の米・仏ブラインド対決で白の一位を獲得した名品。輝きのある黄金色で、樽香は思ったほどきつくない。ボディがあってかつ落ち着きのある、好感の持てる新世界のシャルドネ。タコとサーモンのマリネで頂きました。
 三本目と四本目は米・仏ピノ・ノワール対決。「エドナ・ヴァレー・ピノ・ノワール2000年」「ドメーヌ・ロッシノール・トラペ・ブルゴーニュ2000年」。エドナ・ヴァレーはナパやソノマよりも南に位 置するセントラル・コーストにある海の近くのワイン生産地。色が濃く、やや甘味を感じる果 汁感のある仕上がり。トラペのブルゴーニュは色が明るくそれでいてムスク香のニュアンスがあって複雑味のある香り。濃厚さのあるのは前者で、素直なきれいさがあるのは後者。どうしても後者の方に軍配が上がるのは致し方ないかな。スモークしたばかりの鴨肉とのアンサンブルで。自宅ではフライパンで焼くしかないので、この柔らかくスモーキーな味わいはうらやましいかぎり。
 最後はボルドーの「シャトー・グラン・ピュイ・デュカス94年」。以前に紹介した「シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト」とは兄弟分に当たります。同じくポイヤックの五級。1750年にピエール・デュカスに譲渡された畑が「グラン・ピュイ・デュカス」となり、残りの部分がフランス革命前にサン・ギロンの手に渡り、さらに娘婿のフランソワ・ラコストに遺贈されて「グラン・ピュイ・ラコスト」となった……とは「ボルドーワイン・ベストセレクション」にある記述。いずれにしても由緒ある銘柄には違いないわけで……。さすがにマグナムだけあって、十年近い熟成を経てもまだ若々しい印象。鮮やかな赤紫で苦渋味もしっかり。このところこの会ではピノ・ノワールとイタリアワインが続いたせいか、ボルドーを飲むとほっとする……とはメンバーの弁。次回はボルドーがテーマかな? メインディッシュは前の晩からマリネされ、粉を付けて焼いた後三時間鍋ごとオーブンに入れていたという、とろけるような牛肉のワイン煮。これなんかも自宅には鍋ごと入るようなオーブンなんかないから、やはりプロならではの料理であります。
 プレゼントに帽子を貰いました。

 シェフの帽子(シェフハットとでも呼ぶのかしら。名前分からないし……)でした。これでもっと料理に精進せいやということかな。う〜ん、やはり白衣でないと似合わないような気が……。



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