「プロミス」2001年
ワイン好きのNさんからのお誘いで、恵比寿にある「イル・バッフォーネ」にて四名ばかりでワイン会。「イル・バッフォーネ」は恵比寿駅を降りてから10分ほど住宅街を歩いた中にある、一見どこにあるのか分からないイタリアンのお店。文字通
りアットホームな雰囲気のお店で、場所的には分かりにくいところにあるのに、しばらくすると店は満員になってしまいました。
店にあるワインは正統派のイタリア物のみ。ビールとスプマンテで乾杯した後、ポルチーニ茸のソテーなど前菜と一緒に飲んだのが、「レイ・コリオ・ソーヴィニヨン」。フリウリ・ヴェネツィア・ジュリアのソーヴィニヨン・ブラン。色は明るく、トロピカル・フルーツの香りが特徴的。フランス・ロワールのソーヴィニヨン・ブランと比べると、ハーブ香よりフルーツ香の方が前に来る感じです。酸がまろやかなのもイタリアらしいです。
カニのトマトソース・パスタ(リングイネ)などと合わせたのが、「ニーダーマイアー・ズットティローラー・ピノ・ネーロ2002年」。これは珍しいと思ったトレンティーノ・アルト・アディジェのピノ・ネーロ。ラベルの中央には「ブラウブルグンダー」の表記があり、やはり北イタリアのドイツに近いアルト・アディジェにはドイツの作り手が多いのかしらと思ったのでした。この「ニーダーマイヤー」は「季刊・ワイナート27号イタリアワイン特集」でも取り上げられていました。1852年設立の古いワイナリー。落ち着いた色調で、酸味のバランスもとれたワイン。
本日のメインは牛肉と豚肉の豪快なソテー。ワインもどっしりしたタイプのものを、と選んだのが「ガヤ/カ・マルカンダ プロミス2001年」。「ガヤ」のワインで、しかもトスカーナのボルドータイプというのも魅力の一つでしたが、まず目を引いたのが「プロミス」という銘柄。「約束」とはまた意味深な名前……。もちろん一方で頭に浮かぶのが某金融業者のコマーシャルであったことも否定できませんが。北のピエモンテで名を上げた「ガヤ」が、トスカーナの土地を求めて1996年手に入れたのがボルゲリの「カ・マルカンダ」。ボルゲリはあの「サシカイア」を産するスーパー・タスカン発祥の地。ちなみに「カ・マルカンダ」とは現地語で「無駄
足」を意味するらしく、この畑を入手するために何度も足を運んだことに由来する……とかどこかのホームページに書いてありました(何て適当な情報源……)。既に銘柄として存在していた「プロミス」を2000年にリニューアル。サンジョベーゼ主体だった品種構成もメルロとシラーがメインとなり、ラベルも南国風のカラフルなものから写
真のようないかにも「ガヤ」らしい直線的なデザインに変わりました。調べてみるとその品種構成はメルロ55%、シラー35%、サンジョベーゼ10%と、ボルドーとローヌの中間を行くようなものとなっています。樽熟一年、瓶熟数ヶ月を経て出荷されるそうで、2001年というビンテージも結構新しい。味わいは予想していたほど重くはなく、むしろシラーとか使っているわりには華やかな印象。
四人で三本が丁度いいかなと思ってこのアイテムにした訳ですが、「もう一本!」とのリクエストにお答えして(いや、決して私が「一人一本くらい!」と言い張った訳ではないっ!)、選んだのが「バジリスコ2000年」。土着品種アリアニコ100%の赤ワイン。大好きな「タウラジ」をはじめとして、アリアニコの野性味溢れるフルボディの味わいは殆ど外れなし! ということで脂たっぷりの骨付きラムと一緒に頂きました。
7時頃から店に入って、結局終電ぎりぎりの11時まで飲み食いしていました。居心地が良いものだから……。飲み会の後半は何故か「ゴリラとチンパンジーの行動」についてしきりに喋りまくっていたことは覚えているのですが、何でそんな話になったのか、今となっては全くの謎です。