「神亀」



 さて、「世界の花」に始まった日本酒の会の今回のアイテムは、他に純米酒「神亀」、純米大吟醸「米の芯」、紅麹使用「あかいお酒」、大吟醸「幻の瀧」の五本。「世界の花」以外は四合瓶だったとはいえ、やはり人数が集まらないとこれだけの試飲はできませんなあ。それにしても、今回は全て皆さんが持ち寄ってくれたお酒。しかも結構珍しいものばかり。私は殆ど懐を痛めずに各地の美酒を味わうことができたのでした。うーん幸せ。またやりましょうね。
 なつかしの「世界の花」「あかいお酒」に会えただけでなく、新しい出会いもありました。この「神亀」もなかなか珍しいお酒とのこと。なんか仕込み番号まで書いてあるし。こちらも濁り酒の生。「世界の花」とはまた違ったいかにもストレートな純米らしい味わい。ごまかしのない素直な風味という印象でした。
 ちなみにこの「神亀」も先程の「BRUTUS」の特集の、パーカー氏の選んだ十五本の中に入っていたのでした。そう思うとより美味しかったような気がする権威に弱い私でありました。
 「圧力を加えずに、酒槽から自然に流れ出た酒を、その場で瓶詰めした、風味豊かな純米生酒です。薄く濁った状態ですが、濾過や加熱殺菌を一切せず、オリが含まれている為で、品質の変異ではありません。これが本当の槽口酒です。」とラベルに説明されています。確かにそういう意味ではこういった生酒は瓶詰め一ヶ月後から三ヶ月後までが賞味期限で、ワインの様に長期熟成することはできないわけで、そういったフレッシュさを持っていることが日本酒の評価を難しいものにしているのかも。ワインのように船積みコンテナで世界中に輸出することはできないわけで。しかし考えてみれば、ワインが長期保存できるのは酸化防止剤として亜硫酸を添加しているからで、保存料無添加ではワインにしても賞味期限三ヶ月となってしまいます。
 昔から「ワインには旅をさせるな」と言われていますが、その言葉は今や日本酒にこそあてはまるのかも。なかなかおいしいものを守るってのは難しいですね。



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