ワインツアーレポート〜イタリア名醸地を訪ねる(Sicilia, Firenze, Milano)

第二日(1/12.Sun.)「マルサラ散策」



 午前五時頃眼が覚める。やはり喉の調子はあんまり良くない……。結局寝つけず、朝風呂をして八時頃ロビーの奥にある食堂へ。
 席に着いて食べ始めた矢先にいきなり鼻血。買ったばかりのスラックスを汚してしまいました。しょっぱなから幸先が良くない……。朝食は、いくつかの菓子パンと生ハムにしょっぱい卵焼きというきわめてシンプルなものでした。
 最初の訪問先マルサラへ向けて、雨の中バスで九時に出発し、十一時頃到着。現地は雨も止みやや過ごしやすい気候。日曜日ということで殆どの店は締まっている。まずは唯一開いていたエノテカ「Vini Sapori」に。一部ゴッセなどのシャンパーニュが置かれてはいるが、他は全てシチリア産のワインが殆ど。店の主人が話好きな人で、こちとらイタリア語が分からないにも関わらず一所懸命まくし立てていました。いくつかのマルサラワインを試飲。
・MARTINEZ MARSALA (D.O.C.)VERGINE RISERVA 15ANNI
 アルコール19%のパッシート。日干しして甘味を上げたブドウで作るもので、酒精強化はしていないとのこと。あまり甘くない。むしろシェリーを思わせる味。
・MARTINEZ ZIBIBBO
 甘い。花の香り。そろそろ鼻が利かなくなり始めているが、それでも感じられるほど強い香り。
・MARTINEZ MANDORLA
 梅酒のような風味。浅田飴のニッキのようなスパイシーさがある。
 皆さん一本目のシェリーのような甘味控えめのマルサラが気に入ったようで、何人かはその場で購入していました。

 ←猫にゃんにゃんにゃん。

 予定していた店(ミケランジェロの天地創造をパクったユニークなイラストが看板になってました)が冬休みだったので、急遽別 な店で昼食を取ることに。ワインは白(銘柄を記録し忘れる。シャルドネと原産種のブレンド、9ユーロ)2本と赤ワイン「タンクレディ」(ネーロ・ダルバ種)1本。前者はわりと酸味のあるしっかりした白で、後者はボディのある赤。しかしどうも香りがうまく伝わらない。完全に鼻が詰まってしまった模様。くそ〜こんな時に……。サーディンのパスタを注文したのですが、トマトペーストを使った結構味の濃いものでした。パスタは自家製とのことで、中が中空になった太いもの。フォークにからまず、ソースがぴちぴちとはねてしまう。アルデンテというほどでもないが舌触りはまあまあといったところ。ちょっと味が濃い。というか喉がひりひりしているせいかも知れないけれど。
 一時半にバスに戻るところを若干遅れて一時五十分頃マルサラを離れる。マルサラは気温も暖かくまるで春の陽気といった感じでしたが、バスでパレルモ方面 へ向かうと再び空は雨模様。昼食後に飲んだ風邪薬が効き始めたのか、幾分ぼんやりとしながら二時間ほど経ったところで、三時半頃第二の目的地モンレアーレへ到着。
 やや小雨の状態に回復し、こちらも少し体調が戻ったので世界遺産の一つだというドゥオモまで階段を上がって行ってみました。なんとバスからおりて入り口がすぐそのまま有料トイレ。使用料0.52ユーロ。
 階段を百段ほど上がってしばらく歩くとモザイクで有名だというドゥオモに到着。ガイドブックによるとノルマン朝時代(11~12世紀)に作られたものらしい。暗い堂内で、モザイクはきれいに規則正しく飾られているのですが、近付いてよく見るといかにも手作りでかなり形も大きさもまば。しかし文字通 り手作業で、この広い建物の内部をモザイクで埋め尽くすというのは気の遠くなる作業だったことでしょう。子供が小銭を機械に入れるとぱっと祭壇が明るくなりました。そうかそういう仕掛けだったのか! キリストの周囲に使徒と天使達が並べられていて、顔の周囲に八枚の翼を持つ天使などは、ルネッサンス以前のあのやや平面 的なタッチで描かれていました。フラッシュを伴う写真撮影も別にオーケーとのことなので、記念に何枚か撮影しておいたのですが……。

 ←心霊写真ですか。

 ドゥオモを出てしばらく歩くとバールがあったので、何人かはそこでコーヒーを、私は喉が乾いたのでメロンリキュールのソーダ割りを注文。3ユーロ。かき氷に使う緑色のシロップをそのままお酒にしたという感じ。
 五時二十分頃ホテルへ戻る。熱を計ると37.7度ある。やばい、本格的に風邪だ! しかし栄養は摂った方がいいだろうと夕食は皆と一緒に「Trattoria a cuccagna」へ。
 シシリアの微発泡酒があるというのでそれを注文。「Bianco di Nera 2001」。薄暗い照明の下では水と見分けがつかないほど淡い色。微発泡、というか言われなければ分からない程度の炭酸。一方赤は「SANTAGOSTINO BAGLIO SOLIA 2000」。シラーとネーロ・ダルバのブレンド。しっかりと苦渋味あり。
 アンティパストはブュッフェスタイルで、メインは子牛の薄切りマルサラソース。例によってガイドブックの一覧に眼を通 した程度ではメニューはさっぱり読めないのでした。子牛はとても食べやすかったです。左隣の方がエビのフリットを残していたのでそちらも少し頂いたりして。
 食後酒にマルサラ。ドルチェといったが聞き入れてもらえない。ドライのドルチェとカプチーノをもらう。例によってラベルを剥がして持ち帰りました。

 「SANTAGOSTINO BAGLIO SOLIA 2000」

 ホテルに戻って熱を計ったらまた37.7度。薬を飲んでも下がっていないと見るべきか、熱が上がるところを薬で抑えたと見るべきか。明日には下がって欲しいものですか……。


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