ワインツアーレポート〜イタリア名醸地を訪ねる(Sicilia, Firenze, Milano)

第三日(1/13.Mon.)「パレルモ居残り」

 寒けがひどく殆ど眠れず。熱を計ると39.2度。これはやばいです! ふらふらしてとても歩ける状態ではない! 七時を過ぎたころにツアーコンダクターのMさんに電話して本日は休む旨を連絡。異国の地でこんな高熱を出してしまうなんて。回復しなかったらここに一人置いてけぼりだろうか……死んじゃったらどうしようなどと熱にうなされてろくでもない想像ばかり。八時頃、Mさんが朝食と薬を持ってきてくれました。
 薬は感冒薬のペレックス顆粒と解熱剤のロキソニン。このロキソニンが非常に良く効きました。飲んでしばらく寝ていると汗びっしょり。一時間後に38度、二時間後には36.8度まで下がり、心なしか気分も軽くなりました。しかし持ってきていたパジャマも四枚の肌着も全てびしょびしょに。取りあえず普段着に着替えてそれ以降は起きていることに。十二時半頃ボーイさんが持ってきてくれた昼食は、サラダとトマトソースのスパゲティにパンが二個。全て平らげる。胃腸の具合が全く悪くないのは救いでありました。
 テレビなど観ながらうつらうつらと午後を過ごす。雨戸を上げて外を眺めると、天気は上々。嗚呼、この日を休んだのは実に勿体ないことであるよ。

 ←ホテルの窓からの眺め。ちょっと曇ってる?

 シチリアは比較的暖かいのですが、これから向かうローマ、フィレンツェ、ミラノは氷点下だとのことで、なんか先が思いやられるなあ。テレビでは女性が司会進行しながら料理を説明する料理番組をやっていました。司会者はジェニファー・ロペス似の美女なのですがとにかく間断なくしゃべりまくり。他の番組でも、老若男女全てとにかくまくし立てていて、どうやらこれがご当地の基本のようであります。
 六時頃、戻ってきたMさんから電話。七時五十分に集まって夕食に出かけるがどうするかと聞かれたので、熱も下がったことだしといそいそと参加する。
 ホテルの近くの「GIGI MANGIA」へ。ワインショップとレストランを兼ねたデリカテッセンでした。用意された席は入り口のワインの並んだセラーのようなところで、椅子も金属製のもの。正直言ってあまり暖かくはない。セラーも兼ねているのなら暖房はご法度なのだろうけれど、病み上がりにはやばいかも〜。
 ワインは最初にスプマンテ。店の人が選んだのはゾーニン社のプロセッコ。やはりイタリアではゾーニンはかなり出回っているみたい。味は少し甘味のあるスタンダードなスプマンテ。白は「NOZZE D'ORO 2000」、味はそれなりにしっかりしているがこれも非常にスタンダードな印象。品種は「ソーヴィニョン・ナチュラレート」(うる覚え)とか書いてありました。赤は店の人お薦めの「DELIELLA NERO D'AVOLA 2000」、これもゾーニンです。鼻が利かなかったので偉そうなことは言えませんが、味の濃いフルボディタイプであることは確か。一本目、I先生がホストテイスティングされたところブショネであるときっぱり断言、店の人も納得してもう一本開けたのでした。参考までにブショネと判断したグラスを回してもらったのですが、言われてみると確かにブドウの香りが低くどことなくプラスチック的な匂いがするような……。もっとも自分なら、飲んだことのないワインが相手だと「もとからこんなものかな?」と思ってしまうかも。自信を持って断言できるだけの経験を積みたいところです。あと体調管理も。
 アンティパストは乾燥トマトやイワシ、サバ、ピーマンなど。二皿目はパスタ(トマトソースに小さいタコまるごと、パスタは太くぶつ切りのマカロニタイプ)、三皿目はイカのグリル。おしなべて酸っぱくてしょっぱい。こちらの人はみなこれくらい濃い味付けなのかしら。Mさんに言わせるとやはり海の近くの肉体労働に携わる人達は塩が必要なのでしょうとのこと。
 ホテルに戻ったところで、TさんとOさんから本日皆さんが訪問したワイナリー、「プラネタ」と「スパダフォラ」の瓶を渡される。スパダフォラのシラーがお薦めで少し持ち帰ってきてくれたとのこと。飲んでみるとなるほどオーストラリアのシラーズのようにボディが豊か。香りの方は残念ながら今一つ分かりませんでしたが。プラネタの瓶のラベルは表面 が特殊加工のようでシールではなかなか剥がれず、結果は悲惨なことに……。

 「PLANETA SYRAH 1999」なんとか無事に剥がれた一枚。

 「SPADAFORA SYRAH」皆さんおすすめの貴重な逸品。



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