「12月の独り言」


12月31日。

 いよいよ1999年最後の日であります。
 本来なら大掃除なのだが、まあ10月に引っ越したばかりだしそんなにちらかっていないからいいやと思って、無視。年賀状の宛名書きに専念する。
 毎年年賀状には凝ります(トップページのドラゴンが2000年の年賀状のデザイン)。今まで描いてきた年賀状のラインナップはこのページまで。
 今年も結局ぎりぎりまで間に合わず、都庁の写真をphotoshopで取り込んでフィルタでパステル調に処理して、雲の画像データ集から何枚か空の背景を選んで重ねて色調補正し、その上にスキャナで取り込んだ鉛筆描きの龍を彩色してから載せて出来上がり。毎回それなりに工夫をしてはいるんだけど、あまり進歩していないなあ。来年は巳年、蛇であります。リアルな大蛇を真っ正面から描こうと思ってます。今度こそはそれなりに時間をかけよう。
 いつもイラストを作成しおわった段階で、何か一仕事終えたような気になってしまい、印刷が上がって宛名を書く時にはもうどうでもよくなっていて、コメントには殆ど「今年もよろしくお願いします」と機械的に書いているだけ。気持ちの伝わらない年賀状だなあと思わないこともないです。
 会社関係、親戚関係、友人関係で、大体全部で150枚くらい。宛名を書くだけでも相当なもんである。ちなみに年賀状の印刷は150枚でオーダーしたのだが、500枚近く仕上がって来てしまった。イラストにはでっかく「DRAGON2000」と書いてあるので他に使いようがない。どうしましょ。



12月30日。

 この日で仕事納め。午前中まで勤務、その後会議室で「年末乾杯」。1月5日からはもう出勤、一週間もないから、今一つピンと来ないけど……。 午後は大学時代の友人と自宅で忘年会。ガヤのワインを開けて飲み食いした後、亀戸まで歩いて行ってカラオケ。
 結果として年末ぎりぎりまで仕事と遊びに明け暮れたので、この段階でまだ年賀状は16枚程度しか出していないのでした。明日が大変だなあ……。


12月24日。

 クリスマスイブとはいえ平日なので、きっちりカイシャでおしごと。どうせ遅くなるだろうと思っていたら、八時頃には退社できたので(とはいうものの殆どの人は帰っちゃってるが……)、通り道の亀戸でローストチキン一匹とケーキを二個買って帰り、テレビで「ケイゾク・特別編」を観ながら一人で食べる。食べ過ぎかも知れないが、イブの日に鳥の丸焼きとケーキを欠かす訳にはいかないのでした。
 子供の頃からクリスマスには特別な感情を抱いてはいましたが、本当の意味で楽しかったという思い出はないなあ。なんの張り合いもない、つくづくつまらない人生だなあと思います。暗くなったので、深夜の「明石家サンタのクリスマスプレゼントショー」を観てから寝ました。

12月25日。

 昼起きて、東京ビックサイトのコミックマーケット(2日目)に出掛けることに。ミステリー評論のスペースで作家の小森氏と評論をやっている鷹城氏に会う。ビックサイトのレストランで大森望氏にも遭遇。
 浜松町で一服した後、新宿の「浪漫房」で小森氏・鷹城氏と飲み会。ここは結構日本酒が揃っているのでうれしい。越乃かぎろひ(萬寿)純米吟醸が、しっかりした味の割には飲みやすく全く雑味を感じさせなくて良かったです。それからここの名物は餅のラザニア。意外とこれがいけるのでありました。

12月26日。

 コミックマーケット(3日目)、東V-30aにて「宇都宮斉作品集」のスペースで新刊「魔女からの手紙」を販売。よく考えたらこの本の紹介とコミケ参加案内をホームページに載せるのを忘れてました。なんか最近、段取り悪いなあ。
 出入り口近くのスペースなのでいい場所だな、と思ったのも束の間、近くに人気サークルがあるらしくスペース前の通路は大混雑状態。怒号が飛び交い、机を倒されないようにふんばるのがやっとでした。
 何人か知り合いが訪ねてくれたのと、一度に六冊も買ってくれた奇特な方がいたおかげで、何とか夏の成績をクリアしましたが、何年か前には一日で100冊さばいた時もあったことを考えると、確実に下降曲線を描いているなあ。ホームページはアクセス数上がらないし、投稿作品はなかなか審査を通過しないし、このままではじり貧だわ。来年こそはなんとかしなくっちゃ。(←毎年言っている。)
 昨日「良いお年を」と言って別れた小森氏が、気が変わったらしく三日目も来てくれました。おかげでなんとかトイレにも行けたし片づけも出来ました(いい加減、危ないなあ、オイ……)。帰りの水上バスで、小森氏と一緒に創作講座で講師をやることになっているという五代ゆうさんとばったり会いました。私は初対面だったのですが、あの「異形コレクション」で「グランドホテル」や「時間怪談」「俳優」に作品を載せている方だとのこと。うーん凄い。
 小森氏、五代氏と東京駅で一服した後、「ZERO-CON」のメンバーと飲み会。ある意味でその年の締め括りらしくSFの近作の話などで盛り上がりました。さすがに後半、疲れて眠くなっちゃいましたけど。


12月11日。

 今年の秋は長期出張やら引越やらで落ち着く暇もなかったので、今回のコミックマーケットは新作あきらめようとおもっていたのですが、やっぱり何か描かないと気が済まないような気がして(……なんだそりゃ……)結局短い小品を出してしまおうと、以前に小説化した「魔女からの手紙」を急遽漫画化して、作品集ィとして発表することを思い立つ。
 結局やめときゃ良かったと思ったときには既に引っ込みのつかない状態になり、休みは取れないわ、前日は四国出張で遅くなるわで結局この日の土曜までぎりぎりかかってしまった。明日は入稿締切、しかもお昼からは自宅で飲み会の予定、しかもペンの入っていないページが7枚近く……。
 ワークショップのメンバー二人に手伝ってもらってなんとか形にして、仕上がったのが日曜の午前七時後半スクリーントーンなし。もっとも午前四時段階で既にあきらめてしまって、夕食の残りなんかを食べていたりして……。さっさと寝りゃいいものを

12月12日。

 とりあえず四時間ほど寝てから、朝コーシン出版へ入稿しに行く。帰りに池袋でローストビーフとワイングラスを購入。透明コップを用意してもらってはいるのだが、やはりワインはグラスで飲まなくっちゃね。
 今日はワークショップのメンバーを自宅に招いてワインパーティー。尾山さんの劇「SEVENTH HEAVEN」の公演無事終了をお祝いするという名目でしたが、私の引越祝いも、ということで何と、クリスマスツリーを頂きました。うれしいよう。(もっとも自分でリクエストしたのですが。)これでクリスマスイブは一人静かに淋しく家で祝えますね。まあそれでも、去年よりはマシかも。
 さてこの時飲んだワインについての感想は、こちらのワインコーナーを参考にしていただくとして、とても楽しい集まりになりました。広めの部屋に引っ越した甲斐がありました。みんなしてチーズやケーキや手作り料理を持ち寄ってくれたので、ホストの私は何もしなくても満腹状態。後片づけまでやってもらっちゃって、開始前より台所がきれいになっちゃったような……。
 宴たけなわの所に、突然弟が登場。ケーキでも食べていけよと行ったのだが、挨拶だけして退散してしまった。なんでだ?
 ちなみに、何故かBGMは大河ドラマ音楽集。「正宗」までは自分でも持っているんだけど、うーんダビングしてもらわなくっちや。


12月3日。

出張のため日帰りで札幌まで行きました。
羽田空港から千歳空港までせいぜい一時間から一時間半といったところ。日帰りと言ってもそれほどのものでもない。三時からの説明会に間に合えばよいのだからと、ゆとりを持って11時40分羽田発のヒコーキに乗り込む。一時には着くから、まあゆっくり食事でもして、そこからJRで四十分ほどで札幌へ、という予定でした。
「こっちは晴天だけど、向こうは雪が降ってるぜ」という忠告を受け、マフラーにコートという重装備で、準備万端のつもりでしたが……。
青森を通り過ぎるあたりで、なぜかヒコーキが回り始める。日本エアシステムの座席の前テーブルの上には液晶モニターが着いていて、飛行機の現在位置を地図に示してくれているのですが、何故かぐるぐる二回ほど同じところを回っている。
場内アナウンスで「千歳空港は大雪のため滑走路が閉鎖されています」とあっさりと言われてしまった。じ、冗談ではない! 液晶モニターの目的地がいつの間にか帯広に変わっている。帯広から札幌までどれくらいかかるのかしら。電車で一時間くらいかしら。
同行していた同僚が聞き出してくれた。「帯広空港から駅までバスて三十分、そこから電車で三時間です」……説明会なんて終わってしまうではないか!
嘘のように晴れ渡っている帯広空港に二時半に到着。当然間に合うはずもない。連絡を入れたところ、札幌からは「四時半まで待つが、六時にはパーティーが予定されているのでそれまでには終わらせること」とのこと。飲んでる場合か……。本店からは「次の機会はない。どんなに遅くなっても待ってもらえ」とのこと。完全に板挟み状態である。
急遽同じ飛行機が千歳まで飛ぶことになった。天候がおさまり、どうやら燃料を補給して飛べることになったらしい。これ幸いといそぎ連絡して再び同じ座席へ。千歳空港へ四時に到着、なんとか五時には札幌の目的地に着いたのでした。
既に会場にはずらっと何十人もの人々が……しかも手にしてきた60枚近い説明書は一部しかなく、これを全員に配らなくてはならない。担当者に書類を渡してコピーを頼んだら、手ぶらになってしまった。仕方がないので手持ち資料なしで一時間の説明をこなす。後半なんかは腹は減るは喉は渇くはで殆ど何を言っているのか分からない状態でありました。
考えてみれば朝にクッキーを二個ほど口にしただけで、夜まで何も食べなかったのだな。予約していた帰りの八時半発の飛行機は何とか離陸できそうなので、説明会が終わり次第とんぼ返り、正味二時間の札幌滞在でした。空港で大急ぎで餃子弁当をかき込み、飛行機に乗り込む。
あんまりにも慌ただしくて、おみやげなんか買ってる暇なかったよ……。


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