「年賀状デザインコーナー2005年〜」
2023年 「卯(兎)」
エッシャーのだまし絵的なイラストを描こうと思い立ったものの、実際に作成しようとすると意外に難しく、「だまし絵の描き方入門」などという本まで購入したにも関わらず、みごとなタイリングアートを仕上げる、というところまでには至りませんでした。とりあえず左右対称のウサギのシルエットを中央で組み合わせて、そこから左右それぞれに黒ウサギと白ウサギが飛び跳ねていくというイラストにしてみました。ワインラベルは、イタリアワインの「ヴェレノージ」の赤「ロッソ・ピチェーノ」と白の「ファレリオ」を交互に並べています。
2022年 「寅(虎)」
2010年の寅年では、虎のラベルのワインがないないと騒いでいましたが、今回はいくつか見つけることができました。今回は「シャトー・デ・ザドゥーズ・ル・ティグル」、南仏ラングドック・ルーションのACフォージュールの赤ワインで、グルナッシュやカリニャンが主体の、樹齢90年のヴィエイユ・ヴィーニュです。意外にしっかりした味わいで、何故虎のラベルなのか分かりませんが、イメージには合う感じです。札幌の雪はかなりのものだし、引きこもりも続いているということで、やや寂しい雪景色の風景に虎をあしらってみました。
2021年 「丑(牛)」
牛ラベルのワインはスペインのトーレス、シェリーのオスボルネ、下記2009年のローヌのドメーヌ・ダンデゾンなど色々あるのですが、今回はイタリア、サン・ルチアーノの「トスカーノ・ロッソ」にしました。ラベルには牛の頭がラフなパステルタッチで描かれているので、そのボトルのとなりで同じような牛の頭をパステルで描く三匹の牛たちを並べてみました。昨年のコントラストの強いイラストに比べると少々思っていたより地味な仕上がりになってしまいましたが……。
2020年 「子(鼠)」
子年にちなんで選んだワインは、南仏のIGPワイン「ラ・スルシエール」。このラベルのモノクロで描かれたネズミのキャラクターに触発され、今回は黒ネズミと白ネズミが入り乱れる場面を描こうと思ったのでした。黒と白のネズミと言えば、真っ先に思い付くのが当然ながらミッキー・マウス。2018年の年賀状のようにさりげなく登場させても良いかなと思ったのですが、思い直してあくまで画面を走り回るのは黒と白のネズミのどちらかにしました。画面上半分では黒ネズミと白ネズミが対立し、画面下半分では黒ネズミの子供を白ネズミと共に連れて行く者、共に2人乗り自転車でその場から逃げる者、黒ネズミのお面を被って立ち去ろうとする白ネズミがいたりします。別々に塗り分けられた世界で右往左往する、そんな一場面を描いたつもりですが、これを描いた後観た映画は、「スター・ウォーズ/エピソード9」も「ボーダー/2つの世界」も、血統や領域をいかに超えるか、というストーリーだったので、これも何となく時代の空気なのかしらと思った次第です。
2019年 「亥(猪)」
亥年にちなんで選んだワインは、12年前と同じく「チニャーレ」、同じワインでラベルデザイン違いがあることに目を付けて、再び採用してみました。今回はワインラベルのイノシシを親だと思って集まってくるうり坊達を描いてみました。バックの緑色のシートは、実際にこのワインを包んでいた紙をスキャンしたものです。
2018年 「戌(犬)」
戌年にちなんで選んだワインは、ワシントンのダンハム・セラーズ「スリー・レッグド・レッド」、すなわち3本脚の赤。写真の犬は、生産者のエリック・ダンハムが拾った3本脚の犬で、左側の前脚と後ろ脚が揃っているので「ポート」と名付けられたとのこと。「ポート」は「左側」を意味するそうです。左を歩くキャラクターはチャールズ・M・シュルツの「スヌーピー」、手塚治虫の「ワンサくん」、フランダースの犬の「パトラッシュ」、宮崎駿の「名探偵ホームズ」から。模写なんですが、犬に限って言えば他の干支に比べて世の中に流布しているキャラクターが多いので今回は敢えて並べてみました。
2017年 「酉(鶏)」
午年にちなんで、ニワトリのデザインされたワインラベルを数種選んで、映画のフィルム仕立てでデザインしてみました。イタリアの「カルピネート」、フランスの「ラ・ヴィエイユ・フェルム」、カリフォルニアの「レックス・ゴライアス」の3アイテムのラベルが連なる中、映画監督を気取ったヒヨコがカメラを手にして歩いています。
2016年 「申(猿)」
時間がなかったので、というのは言い訳ですが、2004年の猿(孫悟空)の絵の再利用です。
2014年 「午(馬)」
今回は午年にちなんで、馬のデザインされたワインラベルを数種選びました。イタリアのカゼ・バッセ「ソリデラ・ペガソス」にカリフォルニアの「ワイルド・ホース」など、競馬に見立てて馬ラベル達が走っているシーンを描いたつもりでしたが…分かりにくかったかな? 後ろの方にゆっくりと進む「ハリソン・ジンファンデル」と、それを見てくやしそうに馬券を投げ捨てる観客もいたりして。
2013年 「巳(蛇)」
巳年ということで、当然のことながら蛇がデザインされたワインを。オーストラリアの「ジンダリ」というワイン。カジュアルなスタイルでありながら、なかなか親しみやすい味わい。シラーズには亀が、メルローにはトカゲがデザインされていて、それぞれオーストラリアのアボリジニ神話であがめられている動物たちなのだそうです。カベルネ・ソーヴィニヨンは蛇がデザインされています。アボリジニの神話では、虹色の蛇は全ての精霊の母として崇拝されているとのこと。というわけで、虹色の歯車や滑車の間を蛇の胴体がすり抜けていくようなデザインにしてみました。時間もなかったので全てパソコン上で素材を組み合わせてイラストレーターだけで作成したのですが、キャラクター化していなかったこともあって、いまいち手抜きに見えないこともない…。蛇のウロコとか、色々試したのですがあまりうまく仕上がっていないのも難点ではあります。
2012年 「辰(龍)」
干支となれば、やはり龍のデザインは凝りたいところ。例によって時間もない中、シンプルでかつ格好良くということで、空を飛び回る青い龍を、描線はイラストレーター、塗りはフォトショップで作成。今ひとつイラストレーターでの描画がすんなりといかないものの、まあそれなりに雰囲気は出たのではないかなと。ワインラベルは中国の「ドラゴン・シール」。日本で普通に入手できる中国ワインはこれになりそうですが、そのうちもっと色々試してみたいものです。
2011年 「卯(兎)」
ウサギラベルのデザインのワインは意外に色々あり、カリフォルニアの「ラビット・リッジ」の他にニュージーランドやドイツにもウサギラベルがあって、選択は迷いました。左上の「ラビット・リッジ」に対し、右下は「不思議の国のアリス」コンセプトのレストランのハウスワインのラベルで、果たして今は手に入るのかどうか。ちょっとタッチを変えたいと思い、「鳥獣戯画」のウサギ達をモチーフに、「アリス」の時計を持ったウサギや、「ウサギとカメ」の競争、因幡のウサギもあしらってみたのですが、筆のタッチが今ひとつ。簡単そうに見えても、やはり筆でシンプルなタッチに仕上げるのは難しいですね。
2010年 「寅(虎)」
干支をワインラベルで…という計画ははやくも挫折。トラのラベルのワインが見つからない…。ライオンのラベルなら、「クロ・レオ」をはじめとしていくつか思いつくものの、考えてみればトラはアジアの動物なのでヨーロッパではそれほど取り上げられないのかも…。決してないとは言い切れないものの、見あたらないし探す時間もない…ということで、今回は日本酒でご勘弁を。鳥取県久米桜酒造の「特別純米酒八郷」の虎ラベル。うーん、何しろ今回は時間もなく(毎回言い訳)、おそらくは実質2時間程度で仕上げたような記憶が…。バックは白いままだし重ねなどの処理もしていないし…その割にはそれなりにまとまったという気もしますが、気のせいか絵の雰囲気自体どこかもの悲しい感じも…。次回はウサギということもあり、もう少し華やかに仕上げたいものです。
2009年 「丑(牛)」
牛の絵のあるラベルとなれば、闘牛の国スペインのシェリー・メーカー「オスボルネ」が、雄牛(トロ)の黒いシルエットをトレードマークにしており、スペイン全土に巨大な看板が立てられていることで有名です。というわけで素材には困らなかったのですが、それではあまりにメジャーすぎるかなということで、ドメーヌ・ダンデゾンによるコート・デュ・ローヌのラベルを使ってみました。イラストは文字通 り「食べてすぐ寝ると牛になる」……今時そんなことを言う人はあまりいないかも、と思いつつも、一応食べることが好きで運動が嫌いな自分に対する戒めのつもり。丁度12年前の97年にも自画像と牛の絵の組み合わせで年賀状を描いていますが、殆どタッチが変わっていません。
2008年 「子(鼠)」
昨年から干支の動物にちなんだワインラベルを使って年賀状を作ることにしていたのですが、さっそくネズミでつまづくのでした。果 たしてネズミの絵の描かれたラベルなんてあったかしら。あったとしたらミッキーマウスのワインぐらいだろうと思っていたのですが、たまたまネットで見つけたのがこのドイツワインでした。「グスタフ・ディッケンシャイト・オッケンハイマー・ザンクト・ロホスカペレ・ドルンフェルダー」甘口の赤ワインです。忍者の格好で空を飛ぶネズミと、潜水服で海に潜るネズミ。前回とは違って自分のやっていないようなことをやっているネズミを沢山並べるつもりだったんですが、結局面 倒になって2匹しか描きませんでした。
2007年 「亥(猪)」
イノシシというのはなんとなく描きにくいというか、リアルにしてかつ格好良く描くというのがなかなか至難の業であります。
そこでワインのラベルでイノシシを扱っているものがなかったかしらと思って、ラベルストックファイルを探してみたら、ありました、イタリアの「チニャーレ(Cignale)」、カベルネとメルローのブレンドからなる、重みのある味わいのスーパー・タスカンです。
このワインは毎回違ったデザインでイノシシを描いているらしく、違うビンテージは違うイノシシになっています。
そのラベルの回りに、色んな格好をしたイノシシ達が群がっています。ワインをテイスティングするもの、イラストを描くもの、パソコンを打っているもの、投扇興を楽しむもの、i-Podを聴いているもの、白衣を着て解説しているもの、体重計の数値に憤っているもの……。
まあ、要は今自分がやっていることをそのまま絵にしたわけなんですが。
2006年 「戌(犬)」
世の中暗いので、今回の年賀状は明るいタッチで。
飼うなら犬より猫だと思ってますが(なにしろ犬は階級社会の動物なので、妙に卑屈だったり妙に尊大だったりするので)、犬にしろ猫にしろ、その姿形は千差万別
、ホントに一つの種族でしょうかというくらい色んな種類があります。
というわけで、様々なワンちゃんを並べてみました。左からふわふわな毛並みのポメラニアン、「101匹ワンちゃん」で有名なダルマシアン、その上に乗っかっているのがプードル、銀髪のような耳のアフガン・ハウンド、その手前を歩いているのがレイクランド・テリアとダックスフンド。右端は優男風のチャイニーズ・クレステッド・ドッグ。はっきり言ってそれぞれの犬の寸法バランスは適当です。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグはこんなに大きくないらしいし。
毛並みの感じを人工的に表現しようと思って、雲や水しぶきの写真素材に着色して貼り付けたんだけど、この大きさだと殆ど分かりませんな。
2005年 「酉(フェニックス)」
酉と言えば普通はニワトリを描くものですが、今回は趣向を変えて不死鳥(フェニックス)です。
手塚治虫の「火の鳥」にもあるように、東に鳳凰あれば、西に不死鳥あり、というわけで、フェニキア人はこの鳥にちなんで自分たちの国を名付けたとも。年老いたフェニックスは自らの体を焼き、その炎の中から若いフェニックスが誕生します。そしてミイラ化した父親の体をエジプトのヘリオポリスにある太陽の神殿に運び、自らはフェニキアへと旅立つのだといいます。
岩山の頂上で、炎を吐きながら嵐に立ち向かうフェニックスの姿を格好良く描く予定だったのですが、今一つ迫力に欠けるような……。