「8月の独り言」


8月31日

 今年もあの「浅草・サンバカーニバル」の季節がやって来たのであります。
 昨年も「部員全員参加」の号令の元にしっかり参加してへとへとになったワタシ。今年は逃げてやろうかとふと思わなかったわけではないものの、部長さんも副部長さんも出るともなれば、なんかそういうわけにもいかないかなと言うわけで……。

 さて、当日昼12時集合のところを前日飲みすぎたせいで三十分ほど遅刻。その段階で既にやる気はゼロであります。まずは体育館で簡単に事前練習をした後、衣装が配られたのでした。どういうタイミングか……というより単に適当に並ばされただけなんだけど、細長い赤と黄色の派手な模様の布っ切れがばっさりと足元に置かれました。
 スキンヘッドの外人教官さんが衣装の着方を説明。
「まず長い布を股の間に通して……」
 えっ……?
「後ろから布の両端をお腹の所で結んで、その後前の方の両端を背中の所で結んで……」
 これってパンパースかなんかじゃ……?
「これ着る人は上半身ハダカになること!」
 えっ、ええ〜っ? マジ?

 ちなみに図示するとこうなります。

 本当か? 本当に本場はこんな格好するのか?

 でかい布を股の間に通すので、とにかく足が引っ掛かってやたら動きにくい。これで外を走り回るというのであります……。
 いやそれよりなにより、本当にこの格好で外を走り回れというの?
 とっても恥ずかしいではないか!

 
 思えばワタシはやたら肌が生っ白く、日に焼けても赤くなるばかりという有様で、温泉とかでもなんか気恥ずかしくすぐに上がってしまうタイプなのだ。それがいきなり当日肌をさらせと言われても困るではないか。
 事前に分かっていたら茶色のクリームでも持って塗りたくったのに! と嘆いても後の祭であります。
 ふと見るとブチョーさんもカチョーさんもしっかり上を脱いでいる。

 ようし男は度胸だ、これくらいやったろーじゃないか!

 ということでイラストに描くとこうなる。

 ……いざやってみるとやっぱりみじめ。肌は他の誰よりも白いし、そのくせ胸に情けなくちょびちょびと毛が生えているし、腰巻きで隠しても見苦しいビール腹は隠せない。しかも普段ヘソ出しルックなんかに慣れてないせいか、お腹が冷えて(?)ぐるぐる言い始めた。ピンチかも。
 しかしここで冷静になって自分を見つめていたりしてはいけないのだ! とにかく祭なんだから!

 外へ出ると既に三時半だというのに相変わらずの炎天下……。しかもめちゃめちゃ人だかり。ここをこれから40分近く踊りまくるのかと思うと気が遠くなったが、くよくよしても始まらない。どうにも後ろ手に結んだ箇所が不安なので、先輩に結び直してもらい、いざ出陣。
 音楽が始まったけれどろくに練習もしていないし全然タイミングが掴めない。とにかく訳もわからず前の人の振りを真似る。ただ真似ているだけだからどうしてもワンテンポずれる。ほっぺのメイクもいい加減痒くて仕方ない。しかも汗のせいでますますこの鬱陶しい腰巻きが足の動きを妨げるのだ。もういやいい加減早く終わって!
 そうこうするうちに最悪の事態が! 半分ほど行ったところでついに後ろの結び目がほどけてしまったのだ! 事前に結び直してもらったはずなのに何でだ! しかもよりにもよってなんで曲がり角の一番目立ちそうなところでこうなる! 下に短パンをはいているとはいえ最高にみっともないことには変わりない! 踊りの途中なので布の端を持ってそのままうろうろ。いっそのこと全部剥いじまおうかと思ったけど今度は前の結び目が汗でほどけない。後ろの人が結んでくれたおかげでとりあえずはその場は何とかなったものの、これ以降は脱げるのが不安で布の端を片手で持ちながら走り回る。もう何を踊ってんだか訳分かんない状態。
 後半道を曲がってから逆に日差しは強くなるのだった。しかも周囲を見回すと、見物人たちの反応がない。せめてワザとでもいいから騒いでいてくれればこっちも乗れるというものなのだが、なんなんだこの冷静な眼差しは〜? 考えてみれば半年練習したダンサーがその腕前を披露する正規のチームと違って、こっちは協賛会社の飛び入り参加。中央の車の上で踊るキャンペーンガール以外のその他大勢なんぞ最初から眼中にないのであります。 当たり前の話か。むしろ注目してもらっても困るわ。

 そして40分後。サンバ終了。ひえ〜お疲れさんです。

 踊った後は着替えるために混雑した道路を回り回って戻るのでありますが、この時にはさすがにへとへとになっていて半裸の格好も逆に気にならなかったりして。もっとも後から考えると、去年より踊りが雑だった分少しラクだったような気がします。上脱いでいたせいでシャツべとべと状態にならなかったし。
 この後は軽く打ち上げに参加した後、昨年同様総勢数十人のカラオケ大会。若い人ばかりで、というか見知らぬ 人も沢山紛れ込んでいる中、こちらも負けじと「もののけ姫」と「ラ・バンバ」と「ゴールドフィンガー99」を熱唱する(やめとけってーの……)。知らない人からバンバン頭はたかれるわ、上着を脱がされるわでめちゃめちゃ場も乱れたところで逃げるように退散(洗濯しなきゃならないし、あしたは即売会だし……)。一緒に抜け出した四人でラーメンを食べて無事解散したのでした。

 あんましみっともなかったので今回は写真はなしね……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……あっ、載せちゃった。


8月24-25日

 前日、前々日と飲み会が続いたりしてなんかお腹の調子が悪い(多分飲み会のせいというより、この日の朝自宅で食べたそばのきざみネギが賞味期限切れだったのがまずかったんじゃないかしら……)にも関わらず、8月24日は午後四時から青山一丁目「ひだまり」にてWINESCHOLA主催の国産ワインの会に出席。まあどうせ一時的なものさと「シャトー・メルシャン・北信シャルドネ」他10種類の試飲会に挑む。テイスティングだけかと思ったらしっかりお料理が出てきて「桔梗ヶ原メルローとか残さないように」とのお達しにより殆ど宴会モードへなだれこむ(みりん干しとか出たんですけどやっぱり赤ワインには合わないのでした……)。しかしここで酔っぱらう訳にはいかないのだった。この後午後七時から今度は白金高輪「AL Ceppo」にて同じくWINESCHOLAの同期生とのイタリアワインの会が控えていたのでありました。六時で切り上げるつもりがしっかり七時まで居残り、そのままI先生とFさんとタクシーで三十分遅れで第2の会場に到着。ここでは一人最低1本ワインを持ち込んで飲むので、10人集まってるからやっぱり最低10種類は飲むことになる。手長エビのグリルや和牛ステーキなどのフルコースが出てくる中、グラスに注がれたワインはしっかり11種類飲み干したのでした。ちなみに私の持ち込んだワインは「VIN SANTO AVIGNONESI 1992」詳細はこちら。
 お腹の調子が、といいつつしっかり濃いモノを半日かけて飲み食いしたものの、体調は回復。よかったよかった。
 8月25日は代田で知人のS氏が出演している舞台「夏音(カノン) 」を観劇。真田十勇士VS服部半蔵のお話。前半は結構コミカルなセリフが続いたんだけど、後半はメッタメッタの殺人劇でちょっとギャップが……。槍さばきとかなかなか見ごたえありました。誰か知っている人が来ていないかなと見回したものの、創元推理倶楽部のTさんしかいませんでした。どうやら皆昨日来てたみたい。渋谷でTさんと分かれた後、そのまま電車に乗るつもりがちょっと本屋に寄り道、そのままワインの店「DEN」にて一人で飲み会(ちょっと末期症状か……?)大麻入りのそばとかブドウ入りのうどんとかを食べる。「大麻の種とかは結構昔から健康食として知られていたんですよ〜」とはお店の人のお言葉でした。


8月14-18日

 またまた更新がストップ……。SF大会の後は7月末から自作の漫画原稿に取りかかり、TさんやKさんに手伝ってもらい、とりあえずは20ページの本を作ったのでした。「やればできるかも」と思ってやったのはいいんだけれど、結果 は「やりゃあいいってもんでもない」。半年かかって週刊連載一回分程度じゃあんまりといえばあんまり。8/11のCOMIC-MARKETは今一つの売れ行きでした。準備不足の一言に尽きます。
 8月14日は休みを取ってワークショップのメンバー10人で谷中の「全生庵」へ。ここでは毎年8月に「円朝まつり」と称して三遊亭円朝ゆかりの幽霊画を展示するのでした。去年も行ったのですが、毎年展示される絵が入れ替わるのでした。そう言えば昨年来たとき買った「三遊亭円朝」の本もまだ読んでいなかったし、「幽霊画Tシャツ」も着ていない……というわけでさっそくそのTシャツを着て本を持って出掛けたのでありました。なんだかんだいっても暑い……というわけで、去年回ったときよりもだいぶ時間を短縮して、早々とお茶会&飲み会。上野の「酒菜屋」にて日本酒の会。確かに品揃えが多い。最初こそ石川の「菊姫」という王道の選択をしたものの、二本目は愛媛の「ずっと好きでいて下さい」というお酒に挑戦。濃い口の次にはあっさり系を、との要望があったとはいうものの、まずは名前が面 白かったからというのが正直なところか? 意外とさっぱりとした辛口で好評でした。
 8月15日はT氏宅にて酒盛り。自作のCGなど見せてもらった後、持ちよりのワイン会。私なんぞは夏だしたまにはビール・発泡酒の利き酒も面 白いかなと思っていくつか持っていったんだけど、I氏がなんと「シャトー・ディケム93年」を持ってきたので、急遽ビールは却下。この日は私の持っていった白ワイン「ジャン・リュック・コロンボ・コンドリュー97年」に、T氏宅の赤ワイン「ガヤ・バルバレスコ94年」、そしてI氏の「シャトー・ディケム」と、期せずしてえらく豪華なラインナップになってしまったのでした。
 8月16日は家族と新宿で昼食。本当は京王プラザホテル「グリル・メダリオン」でフレンチの予定が、どうにも前日食べ過ぎたので今日は控えめにと隣の和食の店「あしび」へ。ところがどうせワインなんかないだろうと思っていたら、なんと「メダリオン」の所にいたソムリエのOさんがこちらの店に移っていて、しっかり顔を覚えられていた私は入った途端に「メダリオン」と全く同じワインリストを渡させたのでした。食前にシャンパーニュ「ボランジェ」、その後カリフォルニアの赤「ロバート・モンダヴィ・ピノ・ノワール98年」を注文。やっぱり赤には肉も欲しいねと、しっかりお造り定食を食べた後にステーキを注文。どこが控えめじゃ……。
 その夜弟がうちで使っていない小型のルームクーラーが欲しいと車で取りに来る。佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」、沙村弘明「おひっこし」、冬目景「ZERO」等の漫画本を持ってきたので、「あずまんが大王」などを貸す。当然ながら段々買っている本がダブるようになってきたのでした。
 8月17日は江戸川橋にて朗読会&飲み会。朗読会の前にちょっと昼食を、と作家のF先生も交えて椿山荘のそば屋「無茶庵」に入ったのが運の尽き、ちょっとビールも、のつもりが日本酒の利き酒までしてしまい、すっかり飲み食いして出来上がった後遅れて参加、そこでもお茶と茶菓子を頬張り続け、そのまま欧風無国籍料理「ZENSAI家」の飲み会へ。「モンダヴィ」のシャルドネや、「ロッソ・デ・モンタルチーノ」などを飲みつつカルパッチョからデザートまで食べ続けたのでありました。文字通 り昼から夜まで食べっぱなしの一日でした。
 8月18日は富士山へゴミ清掃のボランティア。朝七時に東京駅へ。待ち合わせ場所の駐車場の場所が分からず焦る。10時には現地に到着するも、清掃を始めて1時間で雨が降りだしそこそこに切り上げ、その後工場見学などしたあと小田原にて解散したのでした。拾ったゴミといえば釘数本にガラスの破片が少しと靴下一枚、といった程度いやはやきれいなものです。もっともうろついた場所に問題があったみたいで、別 な所を探した人はもっと沢山集められたみたい。意外と早く解散となったので、入稿間際だというYさん宅にケーキを差し入れに行く。そこで有線など聞きながら手伝いに来ていたTさんと原稿ののり付けをやって、終電で帰宅。
 久々にぎちぎちの夏休みでした。というか最終日を除くと始終食べてばかりいたような。普通 夏って食欲がなくなる物なのだが……。自宅にはもらい物のそうめんがやたらあるので、次の週はこれで通 すかな。


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