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来た道を安善駅まで戻ります。
ここが大川支線の発着ポイントです。
が、ここで問題が!
時刻表を見るとなんと朝と夕夜以外電車が走ってません。
土日のせいもありますが1日3往復しかないんですね。
さすが工場地帯です。
ちなみに平日も朝と夕夜で9往復しか走ってません。
仕方が無いので武蔵白石まで逆戻りです。
前にも記しましたが、かつてはここから大川行きのホームがあり電車に乗ることが出来ました。
ここから歩いて大川駅を目指します。
距離にすると約1キロの道のりです。
画像は武蔵白石方向を振り返ったところです。
道中、日本鋳造前の踏み切りは今では珍しい手動で上げ下げするタイプです。
やがて雑草の奥に大川駅が見えてきます。
正面は日清製粉、右には三菱化工機がある工場地帯です。
構内は広いのですが現在では貨物輸送はありません。
駅舎は木造で昔のまま。
当然ですが駅には人っ子一人いません。
これが平日の朝と夕は混み合うというのですから、にわかに信じがたいです。
時刻表を見てトワイライトゾーンの雰囲気を実感してみてください。
鶴見線は戦前の日本近代化、そして昭和の経済復興を輸送で支え複雑に発展。
黄金期には朝から晩まで貨物列車が行きかい大勢の労働者を運んでいました。
今ではその栄光はかすれていますが、それはそれで旅の魅力というのはあるものです。
鶴見線には風光明媚な箇所がほとんどありませんが、いわゆるトマソン物件(※1)の宝庫で例えば使われなくなった線路など眺めていると、かつてはここを機関車に引かれた貨車が行き来していたんだと思いを馳せ、また違う旅愁を感じることが出来ます。
次回は残りの海芝浦支線を旅します。
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(メモ)
※1
トマソン物件とは、路上観察学で「存在しても意味がないにもかかわらず、なぜか保存されているモノ」のことをいう。
かつて巨人軍の助っ人外人ながら、役に立たなかった選手の名前から来ている。
※2
学会用語でこの物件は「原爆タイプ」という。
(参考書)
「鶴見線貨物回顧」ネコパブリッシング刊 1,050円
当時の様子が豊富に記されていて写真も多く、現在と比較しながら散策すると大変興味深い。 |