「2月の独り言」


2月26日

 先週からまた舌の右側に小さな血ぶくれができてしまい、何かと物を食べるたびにひりひりする。再び病院に行って診察を受ける。一昨年、去年に続いて同じ所が三回も腫れてしまうので、さすがに気になってしまった。どうやら右下の奥歯が内側に傾いていて、しょっちゅう舌の横に当たるのが原因らしい、ということでそのまま歯科にて歯を見てもらうことに。
 型を取ったりしてもらっているうち、やはり削るしかないということになり、内側に尖っている部分を滑らかに削ってもらったのでした。しかし歯って簡単に削ってしまっていいものなのでしょうか。エナメル質が剥がれて虫歯になっちゃうんじゃないかしら、などと思うものの、確かに削って丸くなった分あたりは良くなったような気がする。これで済むといいんだけどなあ、全く……。


2月22〜23日

 22日、新宿にて「レッド・ドラゴン」を観に行く。空想小説ワークショップのメンバーと創元推理倶楽部のメンバーの一部が参加……って今日は創元の分科会がある日じゃないのか? もっとも先に日を設定したのはワタシなんですが……。感想はこちら
 その後、Oさんに連れられて、焼き立てのスフレが食べられるという「GEORGE」へ行くも、満員で入れず。割とお酒の揃っている居酒屋「浪漫房」へ。結局ワインやら焼酎やらで五時から十時半近くまで粘る。最初は空いていたけれど夜遅くなるころは満員でした。不景気とは言うものの混んでる店は混んでいるのね。
 23日、東京ビッグサイトにて即売会「COMITIA63」に参加。前回の即売会ではしっかり寝てしまった私……今度こそは寝ないで気張って売るぞ! と心に誓いつつもまたしても寝てしまい買い物に来たNさんに起こされる。な、情けない……。焼き立てのクッキーを箱入りで頂きました。一人じゃ食べきれないと思って翌日職場へ持ち込んだのですが結構好評でした。どうもどうも。この日は出している本をひとそろい買っていった人もいて、まずまずの売り上げ。
 その後別なスペースにいたNさん、Tさんと有楽町へ出て「THE ROSE & CROWN」へ。英国風のアフタヌーン・ティーセットでいろいろと映画などの話をして過ごす。意外と観ているようで観ていないものだなあと……。ちなみにワタシの2002年のベスト3は、「ヴィドック」「フロム・ヘル」「バーバー」の3本でした。


2月15〜16日

 15日はワタシの誕生日。わ〜も〜こんな年齢になっちゃった。多くの人がこの年でそれなりの業績を上げてお亡くなりになっている宮沢賢治、国木田独歩、メンデルスゾーン、フォスター……。
 16日、恒例の「アクエリアスパーティ」。2月生まれの人を集めて自宅で飲み会。といっても今回は皆さんなかなか都合がつかず、なんだかんだいって3名しか集まらなかったのでした。自分を入れて4名ということで、まあある意味料理を準備するには手頃な人数と言えるかも。トマトとモッツァレラ、スゥイートバジルで定番のカプレーゼ、先週と同じく魚介のミルフィーユ、そしてベーコンを挟んだランプステーキ・ポートソースを準備。
 あわせてDVD鑑賞。M氏はメイキング映像を中心に「エイリアン」「エイリアン2」などを持ち込み、K氏は中国の未公開映画「蜀山」(……だったかな?)を持参。全然言葉はわからないものの、特殊効果 使いまくり、武術の使い手が羽根を生やして飛びまくるというなかなかにパワフルなもの。オープニングから既にクライマックス状態という感じでした。


2月11日

 この日はあいにくの天気でしたが、表参道の「シェ松尾」にてWINESCHOLAのチーム2000のメンバーNさんの「第二の青春への会」へ参加。
 Nさんは私と同じ時にワインエキスパートの資格試験を受けて合格した方ですが、今回は御夫婦で還暦のお祝い。50人以上もの御友人が集まり、親族の方の他に仕事関係の方も多く、中にはワインにはあまり詳しくない方もいたと思うのですが、なにしろ五大シャトー物を筆頭に銘醸物が並び、かつNさんのバースデービンテージ、1943年物(戦争中だよおい……!)のワインが幾つか抜栓されるとあって興味津々。
 会場に到着するといきなり幹事のTさんから突然「ワインの解説をやって下さい」との依頼。う〜む前もってワインリストをメールで受け取っていたので調べてはいたのですが、人前で解説するとなると心の準備が……といいつつ祝宴は前菜、メインへと進み、銘醸品の試飲の時間に。まず並べられたのが以下の銘柄。
 CH マルゴ−‘90
 CH ムートン‘91
 CH ラフィット‘87
 CH ラツール‘87 
 CH オー・ブリオン‘81 
 CH パルメ‘85
 CH シュバルブラン‘88  
 シャンベルタン‘94(A.ルソー)

 そうそうたるラインナッブ。しかしさすがにこのクラスともなると逸話には事欠かない。下はワタシの解説の場面
 
 テーブルごとに抽選で割り振り、私がゲットしたのは第1級筆頭のラフィット87年でした。下はNさんとの記念写 真。
 
 さて、引き続いて1943年物の試飲。用意されていたのは以下の銘柄。
 CH マルゴー ‘43  
 CH オー・ブリオン ‘43
 ヴォルネイ‘43(フェブレ)
 CH Petit Gravet‘43(サンテミリオン)

 この時代の物が残っているだけでも凄い!
 さて、さすがにこれだけの銘柄を50人以上の参加者全員で分けるわけにもいかず、抽選で振り分けられたのですが、私が頂いたのは「CH Petit Gravet‘43」でした。充分に色も美しく、さほどくすんではおらず、もっと若い、例えば70年代後半のビンテージと言われても納得してしまいそうなほどの若々しさ。う〜ん、びっくり。
 会の終了後も、チーム2000のメンバーは残ってラベル剥がし。シールに転写するのですが、シャトー・マルゴーだけはラベルの表面 がコーティングされていてなかなか剥がれない。以前私も諦めて溶剤か何かで剥がした記憶があります。それでも眼科医でエキスパート取得のSさんは根性で剥がし取ったのでした。う〜んなんて負けず嫌いなんだ〜


2月10日

 さて、前々日に挫折した自家製パスタですが、材料も余っていることだしと再度挑戦することに。わざわざこのためにパスタマシンを買ったのであります。そう簡単にあきらめるわけにはいかないのでした。
 まず強力粉を220g計量し、ボールに入れ、卵二個を入れてかき混ぜる。マニュアル本にはまな板の上で小麦粉の山を作り、中央を凹ませてそこに卵を入れればボールもいらないし簡単、と書いてあったのですが、前回はしっかり隙間から流れ出し、もうぐちゃぐちゃになっちゃったので今回は無視してボールを用意したというわけ。こねくり回してそれなりに粘りがでてきたら、粉を散らしたまな板の上でこねくりまわす。さすがに二回目ともなるとそれなりにうまく形になってきました。よしよし。
 粘土状になった黄色い塊にラップをして冷蔵庫で三十分寝かせ、その間に蒸したカボチャとチーズでパスタの中身を作っておく。そして冷やした塊を五等分してパスタマシンを使ってひらぺったく伸ばしていく。パスタマシンは水洗いできないので汚れ自体もパスタの生地を使って取らなくてはならず、結構面 倒。折ってはロールにかけ、さらに折ってはロールにかけ、を繰り返し、一番薄いレベルにまで伸ばす。そのままちぎれそうなくらいにまで薄くなった生地に、作っておいたカボチャの具をまるめて、お湯で茹でてできあがり。ソースはバターにセージを加えたシンプルなものを用意。実際にイタリアのワイナリーで頂いたパスタは、中身がチーズとホウレンソウだったけれど、まあ細かいところは気にしない、ということで……。
 さて、その結果は……。 
 
 まずはこれがワイナリーのパスタ。きれいな黄色をしていて、とても口当たりがソフト。チーズとホウレンソウで出来た具を餃子のようにくるんで両端をねじっているだけなんだけれど、じつに美味しい。あまりラビオリとか固くて好きではなかったのですが、これを食べてみて認識を改めた次第であります。
 そして下が私の手作りバスタ……。
 
 なんか違う……なんか違うんだ〜! 色からして違うよ〜!
 あれだけ薄く生地を伸ばしたのに、ぼってりと固くて厚い。かといって一部薄い部分は茹でている間に破れたりしているから、これ以上薄くするのはおそらく無理。色もなんか違うし、やはりパスタ用のデュラム小麦でなくちゃダメなのかしら。いや、デュラム小麦はさらに固い筈だから、ぎゃくに薄力粉を混ぜた方が柔らかくなるんじゃないかしら……。いずれにしてもまだまだ修業が足りないようです。


2月8日

 マックでの3D制作とかでお世話になっているT氏とI氏から「セラーからワインがはみ出しているだろうから飲みに行く」という連絡を受け取る。今回はなかなかうるさがたのI氏のお姉さんも来るというので、びびった私はいつもよりはちょっと念入りに準備にとりかかる。とはいうものの土曜日なのであまり準備できない。前の晩から「豚の煮込み・フルーツ風味」を準備。翌朝掃除をしてから自家製パスタに挑戦する。
 イタリア旅行でワイナリーで頂いた、ルコッタチーズとホウレンソウを包んだラビオリ風のパスタがとても美味しかったので、自分で作ってみようと思ったのでした。しかし強力粉に卵を加えてこねるだけで結構な肉体労働。結局時間切れ。ストックしてあったパイ生地を使ってうちのパーティではほぼ定番アイテムとなっている「魚介のミルフィーユ」を出す。
 ワインは「カレラ・マウントハーラン・シャルドネ」、「ボルドー・ジネステ(白)」、そして「シャトー・オー・ブリオン92年」。T氏が五大シャトーでまだ飲んだことがないという「オー・ブリオン」を選んだのは、ある意味I氏のお姉さんを恐れたということもあります。実際、ほぼ有名どころのワインは飲んでいるとのことで、昨年はメドックのポイヤック格付けのみ一年間飲み続けたというから、相当なマニアである。五大シャトーの中では「オー・ブリオン」が好きで、「ムートン」はイマイチなのだそうだ。う〜む。
 87年物を飲んだ限りでは、また本とか読んだ限りでは、「オー・ブリオン」はスパイシーで熟成により複雑味を出すタイプ。他のシャトーと比べて動物的なニュアンスよりも植物的な風味が印象的。ということであえて「豚のフルーツ風味」をメインに選んだつもり。より樽香や動物的な風味を持つ例えば「ムートン」なら、ラムの香草焼きあたりがいいかも知れないところ。豚肉は一端アルコールを加えて煮て、充分にアクを取ってからワインに漬け込むので、かなり子牛のような味わいになります。豚は牛肉と違ってフルーツとの相性も良いのですが、ソテーしたリンゴやオレンジを加えた結果 「オー・ブリオン」とは割とマッチしたのではないかと思ったのでした。ちなみにT氏は「鹿肉」では? と答えたけれど、さすがにここら辺では手に入らないので……。
 ちなみにその「オー・ブリオン」、5年近く前に買ってセラーに寝かせてあったものですが、92年は必ずしも当たり年という訳ではないので、10年経てばそこそこいいだろうと思って開けたのでした。しかし抜栓してテイスティングしてみると思いのほか「青い」……これは丁度、以前81年物の「ペトリュス」を開けた時の印象に近いです。熟成感はあまりなく、デカンテーションしてしばらく放置したけれど、まだ「早かった!」という感じ。銘醸物のワインってつくづく開けるタイミングが難しいものです。
 T氏からはかなり料理の腕前が上達したとお褒めの言葉を頂く。なにせT氏もI氏も料理はもともと上手だし、T氏の奥さんは飲み会となれば1週間前から準備を始めるほどのこだわりの持ち主だし、ということでなかなかこちらの出る幕がなかったというのも正直なところでしたが。


2月2日

 春日の文京区シビックセンターにて「SF落語の会」に行く。前回好評だった鈴々舎わか馬氏の「落語の会」に続く第2弾。今回は「SF」と落語という異色の取り合わせ。柳家風太郎氏と鈴々舎わか馬氏の二人が登場、「落語界浪漫派の新星」風太郎氏がSF落語を、「古典落語の名手」わか馬氏が古典落語をそれぞれ交互に披露するというもの。風太郎氏はクマさんのデザインされた派手な着物で、怪獣の登場する「エコロジラ」や手書きの紙芝居を織り込んだ「ダダ落語」を披露。対するわか馬氏は江戸時代の名彫刻家が競う「ねずみ」やほら話のうまい男の打ち明け話からなる古典落語を披露。
 風太郎氏は鈴々舎馬風に入門し前座名を「鈴々舎馬頭」と名乗っていた人で、わか馬氏はその馬風の弟子の馬桜に入門した人。ある意味同じ門下生なのですがそのスタイルは非常に対照的。桂歌丸さんを思わせる落ち着いた風貌のわか馬氏と、サービス精神旺盛な風太郎氏ではそもそも性格からして正反対のように見受けられました。「どちらが良かったか」と投票用紙が配られたけれど、この二人を比べるのは少々酷というもの。
 風太郎氏も交えての飲み会では10人ほどが残って、「どのウルトラマンが情けないか」「どの怪獣がベストか」などといういかにも同年代の話題で盛り上がってしまったのでした。こういう話題でひたすら盛り上がってしまうところがいかにも「SF落語」であります。(ちょっと違うか……?) ちなみに私にとっての「一番なさけないウルトラマン」はウルトラマンタロウ(顔がウルトラセブンだからマンとは違う!)、「ベストの怪獣」はエレキング(しっぽが長いから)


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