「5月の独り言」



5月27-28日

 野球大会に参加するために長坂まで足を運ぶ。私みたいなのが戦力になる筈もないので、当然数合わせでしかないのですが、まあこういう機会でもないと東京から外には出ないし、体を動かすこともないので。しかしもういい加減しんどくなってもいるのですが。
 朝7時発のあずさ1号に乗車。自由席でも二十分前くらいに並んでいれば座れるだろうと思っていたら甘かった。結局甲府に着くまでの一時間半立ちっぱなし。9時過ぎに長坂のグラウンドに到着するころにはもう腰ががくがく、へとへとといった状態。第二試合からだったので、その間石のベンチの上で寝ていましたが、余計に腰が痛くなってしまいました。
 三チーム総当たり戦で、こちらの参加したチームは一勝一敗というなかなかの好成績でした。うーむ、去年は結構バッティングセンターとか行ってそれなりに準備していたのですが、今回はバットを持つのが一年ぶりという状態。日頃の運動不足の上に交代要員がいないことも災いして、体中筋肉痛の状態。殆ど歩くのもやっとという状態で次の日の日曜日には自宅へと戻ったのでした。



5月26日

 空想小説ワークショップでたまたまロアルド・ダールの短編「味」の朗読と作品紹介がありました。私にとっては超メジャー作品でありましたが、意外と読んでいる人は少なかったなあ。内容はある金持ちが美食家の男とワインの銘柄を当てることができるかどうか賭をしようと持ち込むが、自信たっぷりの美食家は見事当てたら娘を貰おうと言い返す、というもの。消去法で少しずつ絞り込んでいき、たどり着いた結論は……というなかなかスリリングな内容ですが、私がワイン好きということでわざわざこの作品を取り上げて下さったらしい。ここに出てくるメドックの格付けワイン、「シャトー・ブラネール・デュクリュ」は私も作品で読んでいて興味を持ったので以前飲んだことがあります。また買って飲んでみようかな。
 講座終了後はワインを飲んでみたくなったという人が多かったので、皆で池袋のフレンチ料理の店へ。「ブラネール・デュクリュ」はなかったものの、メドックの赤ワイン「シャトー・パタシェ・ドー」とサンテミリオンの「シュヴァル・ノワール」を飲みました。前者の方が若干渋味が強くて、まあ少しは近いんではないかなあと。


5月21日

 午前中はエアコンの取り付け。引っ越したときにはエアコンがなかったので新規購入。なにしろ前に借りていた部屋は今の半分だったので簡単な冷風扇で済んでいたけど、今度の部屋は倍近く広いし、カーペットが敷きつめられているから、エアコンがなくてはつらかろう、ということで。今なら取り付け料安いよ、の声に従って買ってしまったのでした。しかし、当日は嘘みたいに涼しくて、テストのためにエアコンをオンにしている間、結構寒く感じたくらいでした。ホントに今年、暑くなるのかしら。
 午後からは「ハンニバル・パーティー」。あのトマス・ハリスの「ハンニバル」に出てくるワインを飲んでみよう、という企画だったのですが、今回はものがものだけに有料、ということもあってか意外と人が集まらなかったなあ。まあ読んでない人も多いだろうし、あんまし狭い中十人近くも集まってもちょっと……と思っていたし、サイコドクター夫妻も来てくれたことだしね。
 今回は「バタール・モンラッシェ」「ラ・コンセイヤント」「シャトー・ディケム」の豪華三本立て。まあ本来は本文に登場する「ペトリュス」かせめて「ラ・フルール・ペトリュス」を、と思っていたんだけど、前者は一本8万円以上するし、後者は昨日手に入らなかったんで。ワインの感想はお酒のコーナーを読んでいただくとして、映画にめちゃくちゃ詳しいMさんはラムとレバーのハムと臓物料理の紹介本を持ってきてくれたし、イタリアにめちゃくちゃ詳しいIさんはフォーションのサンドイッチ(飛行機の中で食べ損ねた奴ですな)と本文中でレクター博士の奏でる「ゴルトベルク変奏曲」のテープとフィレンツェの地図を持ってきてくれました。うーむ皆さんそろってマニアックな読み方をしなさる。「ハンニバル」の舞台はパッツィ夫妻の訪れる劇場を別にすると殆ど特定できるそうな。こちらからは鴨のローストと、赤ワインを一瓶使った牛肉のシチューにサフラン・ライスを添えて。ちなみにこれはレクター博士が管弦楽団の理事たちに振る舞った「暗色の肉入りシチューをかけたサフランライス。この肉が何であるかはついに明かされなかったが……」にあやかったものなんですが……(オイオイ)。
 せっかくサイコドクターことKさんが来てくれたのだから、もう少しレクター博士のプロフィールについて色々聞こうかなと思ってはいたんだけど、結局自分で買ってきたワインに夢中になって殆ど肝心の「ハンニバル」の話にはならなかったなあ。Mさんの持ってきた「アカデミー賞授賞式」「サウスパーク」のビデオとか観て笑いまくっていた次第で。おまけに酔っ払ってテイスティンググラスを一個割っちゃうし……でも実に充実した週末でした。


5月20日

 池袋やまやでワインフェア。ポムロールの逸品「トロタノワ」「ラ・フルール・ペトリュス」が1万円以下で出されているのを案内で知り、10時開店を目指して出掛けたのであります。毎週こんなことやってるな、私……。
 それぞれ限定6本とか12本とかといったレベルなので、無理かなあと思ったらやっぱり無理でした。既に二つとも売り切れ。開店前からならんでやろうという根性はないのか! と言われそうですが、土曜日に早起きするなんて私にとっては尋常なことではないのでした。
 有料試飲でポムロールの「プティ・ヴィラージュ」「モンローズ」を試飲。「プティ・ヴィラージュ」はちょっとポムロールにしては軽いような気がしました。「今ポムロールで一番濃い奴はどれですか?」と訪ねると「同じビンテージならラ・コンセイヤントですね。セルタンはちょっと固いと思います」との答え。それを信じて「シャトー・ラ・コンセイヤント95年」を購入。合わせてあのシャトー・ディケムと同じ生産者の「ド・ファルグ」も衝動買い。あああまた買っちゃったよ以下略
 その後銀座に出て、「名前の本」の原稿料を預けていたTさんと軽くお昼を食べた後プランタンに出てショッピング。明日のパーティーの準備の為だけど、ついついワインコーナーの所に寄ってみると、イタリアワインの無料試飲アンケートをやっていたのでさっそく参加。30本近く並んでいるのを無作為に飲みまくり、味の濃い少し高めの奴に丸をつけてボールペンを貰ったのでした。正直言って、ワインって飲めば飲むほど良く分からなくなっていくような気がするなあ。
 鴨の肉は手に入れたものの、ラムが手に入らない。鹿の肉もそうだったけどやっぱり日本ってなかなか肉の手に入らない国なのね。まあ料理しようっていう物好きもあんまりいないからだろうけど。Mさんにラム肉は任せることにして、これにて明日の「ハンニバル・パーティー」の準備は揃ったのでした。


5月13日

 渋谷東急の案内で、カリフォルニアワインフェアがあることを知り、前の日まで熱があったにも関わらずいそいそと出掛ける。
 何とあの「カレラ・ピノ・ノワール・ジェンセン」「セレック」が6本ずつではあるがエントリーされているのだ! しかし、元気な時なら朝早くから並んでやろうかと思うところなのですが、さすがにちょっとしんどく結局開店丁度くらいにゲホゲホ言いながら到着。もちろんごったがえした店内の中、既にジェンセンもセレックも売り切れ。まー無理もないか。しかし「ミルズ」だけは残っていたので、とりあえずは無駄足にはならなかったかな。この前手に入れたのと同じビンテージだけど、価格は倍になってましたね。ちなみに他の収穫は、「フロッグス・リープ」の作り手がドイツの「リープフラウミルヒ(聖母の乳)」にあやかって名付けた「リープフロッグミルヒ」(聖なるカエルの乳……か?)と、オーストラリアの「ウルフ・ブラス・ブラックラベル」。あああまた買っちゃったよ。もうセラーは満員だというのに。
 昼にはさっさと家に戻りそのままベッドに寝る。我ながら困った病人だ。夕方は借りている「花神」のビデオを見て過ごす。高杉晋作の病死のシーンに思わず共感したりして。


5月12日

 結局あんまししんどくて木曜日は会社を休んだんだけど、しかし体温は何度測っても平熱レベル。おかしーなーと思いつつ熱もないのにそうそうノンビリともしておれないだろうと金曜日は出社したのだが、会議の途中で頭クラクラ。どーも見ちゃおれんという風情なので、昼で早退。
 もしかして……と思い帰りに風邪薬と一緒に電子体温計を購入、さっそく体温を測ってみると37.8度充分発熱してるやんけ。熱がないないと思っていたら、なんのことはないうちの水銀体温計が壊れていたのであります。良く見ると水銀の管の所に気泡があるらしく細いところで途切れていて、お湯につけても36.6度以上上がらない。どうも辺だと思ったぜ。こんなことなら出社するんじゃなかった。
 薬を飲んで大人しくしていたら、夜には熱も下がり体調も回復。チーズを食べまくる。実は週末に予定していた飲み会がキャンセルになったので、用意していたチーズが余ってしまったのだ。白カビやウォッシュタイプのチーズはあんまし保たないので、賞味期限の間近の奴が500グラム近くあるんだけど……。まあ体力回復には丁度良いかな。


5月11日

 連休が明けてからどうも体調が悪い。連休中遊びすぎたかな。別に高熱が出るわけではないのだけれど、何か変な咳が出る。肺炎だろうか? などと思っていたら朝からついに声がでなくなった。もし風邪だとしたら、えらく進行度合いの遅い風邪だな。
 激しくせき込み、ひどく痰がからむので、今日だけは会社をお休み。昼過ぎまで横になっている。どうも風邪で休むとひどく時間がもったいないような気がするのだけれど、こればかりは仕方ないか。なにしろめちゃくちゃ気力がないし。


5月7日

 連休最後の日は、元ワークショップのメンバーのオースティン夫妻と会食。
 最初の予定では、昼に集まってうちで夜までパーティーを、と思っていたのですが、肝心のオースティン夫妻の都合で夕方新宿で落ち合うことに。もっともせっかく昼集まるんだからということで、集まった人達8名程で軽く食事。大抵は買ってきた物を並べて済ませるのですが、今回はせっかくだからと鴨のソテー・ワインソースブルベリー風味と、ラムのリブロース香草焼きに挑戦。まあまあうまくできたのではないでしょうか。スペインの赤とニュージーランドのピノ・ノワール、そして持ち込まれた「レ・シプレ・ド・クリマン」を飲み、ほろ酔い気分で新宿へ。
 新宿でオースティン夫妻と合流。もちろんお子さんのアンジェロ君も一緒であります。人がいくら集まろうと一切物怖じしない赤ちゃんで、誰にでも笑顔を見せるから、こんなに騒がないんじゃ誘拐されたりしないかしらといらぬ心配をしてしまうほどでした。それにしてもハーフの赤ちゃんというのは飛び抜けて可愛い気がします。こうなったらもうみんな国際結婚した方がいいね。きっと英語もできるようになるし一石二鳥だね! 夫君のデヴィッド・オースティン氏も気さくな方で、ダースベーダーやヨーダのマネまでやってくれたのでした。


5月5日

 東京ビッグサイトの「コミテイア」に参加。ゴールデンウィークの大混雑を計算に入れていなかったので、集合時間に遅刻。だからというわけではないが、今回の売上はかなり惨めな結果に。うーんこれじゃ、印刷代どころか参加費をひねり出すのがやっとだよ。
 終わった後は東京駅近くの居酒屋でSF同人「まねきねこ」の会の人達と飲み会。
 6日も7日もお酒を飲む予定を入れているので、これで結局連休は終わるのであった。うーん、予定ではこの間、短編小説を一本上げて創作講座に提出し、ワインの勉強をフランス編まで終えて、描きかけの漫画の下書きを上げるはずだったのだが。予定は未定……でもしっかり締切は来る。どーしましょ、と夜遅くまで悶々として結局眠くなって寝てしまうのでした。


5月3-4日

 この日は恒例の「SFセミナー」に出席。角川春樹の講演や藤崎慎吾をはじめとする新人作家の紹介がメインの昼の部は、お茶の水の全電通労働会館にて。そして、ワークショップで知り合いになった作家の浅暮三文さんサイコドクターさんの企画部屋のある夜の部は、東大赤門ちかくのふたき旅館にて。結局毎回徹夜になってしまうという恐るべきイベントであります。詳細はこちら。
 今回は昼の会場で休み時間に自分の同人誌売ってみたりしたのですが、他に有名な作家さんはいるし手に入らない古書の販売はあるしで、知り合い以外には殆ど反応なしでした。今回は森下先生を始めとして空想小説ワークショップのメンバーもあまり来ていなかったし、こちらもいい加減疲れやすくなっているのか、前回みたいに完徹で「星界の紋章」ビデオ全巻上映に付き合ったようなパワーもなく、だらだらしながら過ごしました。


5月1日

 さて、待ちに待った連休の始まりです。
 とは言うものの、大抵の場合色々とマンガや小説を書こうとか計画を立てるんだけど、結局SFセミナー徹夜と同人誌即売会コミッティアであっさり潰れてしまうのだった。まーしょうがないか。
 この日は横浜のバー「STONE free」へ。ロバート・パーカー氏のワイン「The Beaux Freres Philosophy 1997Pinot Noir」という珍しいワインがあるというのでさっそく足を運ぶ。最近はとにかく、珍しいワインが飲めると聞いたらどこへでも行こう、というスタンスになっているのであります。
 「テタンジェ」に始まり上記のピノ・ノワール、「レ・フォール・ド・ラトゥール88年」、そして私の持参した「シャトー・ラグランジェ95年」となかなかのラインナップ。久しぶりにフルコースを堪能した気分。すっかりくつろいでしまい、店を出たのは午後11時半。うーん、危なかった。よくあの時間に亀戸まで戻れたものだ。亀戸に着いたのが午前一時。延々自宅まで30分の道のりを歩いたのでした。
 そこのバーで「横浜バーめぐり」というホームページを書いている方と知り合い、リンクのお約束。今日会社から戻ってみたらもうリンクコーナーに私のページのURLをリンクしていてくれていました。うう、さすが早い。遅まきながらこちらもリンクを張らせて頂きました。


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